本を熱いうちに読む

読書ってなんですか

高齢者が犯罪をする理由【高齢者の犯罪心理学】

高齢者の犯罪

日本は超高齢社会に最も早く突入する国と言われています。高齢社会の問題はいろいろと取り上げられているが、犯罪については一般的に若者が多くを占めており高齢社会によって犯罪は減ると考えられているみたい。

しかし、いくつかのタイプにおいては高齢者が主体となる犯罪があるらしい。今日はそんな話。

スポンサードリンク

 

 

高齢者の割合

刑法犯の認知件数、いわゆる犯罪の数は減少傾向にありますが、65歳以上の高齢者の割合は増加しています。

2016年の高齢者の割合は20%を超えて、検挙された人の5人に1人が高齢者ということになります。高齢社会に突入しているのだから高齢者の割合が増えるのは当たり前ではあります。

そして罪別でみると全年齢層の割合を越えているのが一つある。それが「窃盗(万引き)」。

全年齢層の窃盗の割合は51%ですが、高齢者の場合72%と多い。全年齢層では暴行や傷害がそれぞれ10%前後ありますが、高齢者の場合は暴行と傷害を足して10%を超える程度で約半分です。件数もそもそも少ないですし、高齢者の万引きは一つの社会問題と考えてもよいかもしれません。

高齢者が万引きをする理由

高齢者が窃盗(万引き)をなぜするのか。経済的に困窮しているのではという考えが思い浮かぶが実情は少し違うみたいで、「経済的困窮」よりも「利欲」を動機として行われることが多いという指摘があります。

特に「利欲」による窃盗は女性に多く、「欲しいから」「節約」といった理由が犯罪の動機としてあげられています。対して男性の場合はやはり「経済的困窮」であることが多いそうです。

そして、高齢者の窃盗犯の特徴に「開き直り・甘え」があり、高齢者窃盗犯の約40%がこういった態度を見せているという報告もありました。どうして開き直りや甘えを持つのか、よくわからないところ。

スポンサードリンク

 

高齢者の衝動性

万引きは犯罪であることは誰もが知っていることで考えればわかることだ。それでも高齢者が万引きをしてしまうのはどうしてか。その一つに「衝動性」があると思われる。

「衝動性」を「機能的衝動性」と「非機能的衝動性」という2つの側面から捉えた方法もある。

「機能的衝動性」は少ない思考プロセスのみを経て行動を起こすことが最適な場合に、そのような意思決定を行う傾向のこと。

「非機能的衝動性」は時間をかけた意思決定アプローチが必要とされる場合でそれを使用することができなくて、結果的に望ましくない状況を引き起こしてしまう傾向のこと。

一般的な衝動性というのは「非機能的衝動性」であり、もっと考えればいいのに考えずに行動してネガティブな結果を出したりすること。対して「機能的衝動性」は焦って判断を急いでいるわけではなく、必要最低限の情報をきちんと用いているらしい。

この2つの衝動性について若者と高齢者の比較を行うと、機能的衝動性は差がなかったが、「非機能的衝動性」は若者よりも高齢者の方が高い結果となった。

この結果を踏まえるとこう考えることができる。

高齢者は実生活で複雑な問題解決が必要な場面に直面したとき、規律や秩序を踏まえて熟慮を重ね、判断や意思決定を行うことが困難になると考えられる。このような特徴が、非合法的な問題解決手段をとることにつながり、窃盗や粗暴といった犯罪を引き起こす一因になりうると考えられる

【高齢者の犯罪心理学】p.161

冷静になって考えればわかることなのにそうした長い思考を高齢者はすることが困難になっていく。だからついつい万引きをしてしまう。そしてそれが悪いことであることを正しく認識することもできずにバレたら開き直るのかもしれない。

この衝動性は犯罪加害だけでなく、犯罪被害についても影響を及ぼす。

高齢者犯罪の問題は加害だけでなく被害についてもよく取り上げられる。

振り込め詐欺の被害者の多くは高齢者だ。この被害もまた、冷静に考えれば詐欺とわかるタイミングはいくらでもあるはずなのに、正しい判断や意思決定を行うことが困難なことから考えが及ばずに詐欺の被害にあってしまう。

こうした高齢者の衝動性について高齢者自身が理解することが犯罪をする、または被害を受けないことにつながる一つの方法だと思う。

まとめ

高齢者は今後も増え続け超高齢化社会はもう目の前に迫ってきています。

高齢者の犯罪を未然に防ぐために高齢者の思考や行動を正しく理解することが大切。そして高齢者自身も自分の認知機能の衰えを自覚することが大切なのだろうけど、自身の衰えを受け入れることは大きなストレスがかかり、そういったストレスがさらなる身体の不調を起こすことを考えると、高齢者の問題は本当に難しいと思うのでした。

今回の内容は「高齢者の犯罪心理学」に詳しく書かれていますので、気になる方はチェックしてみてください。

スポンサードリンク