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過ちを犯さないために人は過ちを犯すことを知らなきゃいけない

 

 失敗というとネガティブなことのように思えるけど「失敗は成功のもと」という言葉があるように、失敗から人は学び、成長する。それでも失敗を重ねず一度の行いで成功するのがやはり良い。では人はどうして失敗してしまうのか。そんなことを考えるのに助言をくれたのがこの一冊。 

情報と時間

 失敗は過ちや間違いといった言葉に言い換えることができる。とにかく人がミスをするのはどうしてなのか。それには「情報」と「時間」という大きな力が影響しているらしい。もし世界中の「情報」を得ることができ、考えることができればミスをする可能性は少なくなるかもしれないが不可能だ。仮に情報をたくさん得ることができても人の脳はそれを処理しきれない。処理するために仮設やおおざっぱで簡単な推論をして、結局ミスをする。もう一つの「時間」というのは、人間というのは洞窟で暮らしてきた頃からたいして脳は変わっていないのだ。それなのに環境がここまで変化したことによって人の脳はついていけなくなっているという。

 本書の中で、仕事のミスについてこう書かれている。

ひとりの人が生涯働く時間はだいたい八万時間くらいのものだ。だから、人が働く時間で計算して百万時間に一回事故が起きるとすれば、十三回も生まれかわって働かない限り、一度も事故にあうことはないということになるー「心配しなくても大丈夫だよ、ぼうや」というファイルに入れて忘れてもいいくらいの長い時間だ。だが、ロイヤルダッチ・シェルには十万人以上の従業員が働いているから、本社から見れば「人が働いている百万時間に一回」は、ほぼ「一日に一回」という計算になる。

 一人の人間がミスをする回数は少ないが、社会全体では毎日何万人の人たちが何かしらの仕事のミスをしている。一人だけに影響するミスならまだよいが、そのミスがほかの人にも影響するミスの場合、社会は大きく影響する。失敗だったかわからないけれど、日本の政党が変わってしまったことや、EUから離脱すること、米国の首相など、それが社会のミスにならなければいいなと思うが、それはまたちょっと違うか。

確率のセンス

 本書のタイトルにあるように、人はなぜ過ちを犯すのか。その答えは「確率のセンス」にあるという。

本書のそこら中に挙げてきた例の中で、間違いへと突き進むときになくしてしまった常識は何だっただろう? 突き詰めれば、それは出来事とルール、パターンと要因との間の複雑な関係に関する「確率」のセンスだ。われわれは長い人生を、大洋を横断する水先案内人ではなく、沿岸を波まかせで進む船乗りのように生きていく。目印を探し、おおざっぱな経験則を作るのだ。 

 どんなに経験則を作ったとしても人は過ちを犯す。過ちを犯すのが人間だと、本書の締めくくりにはある。過ちを犯すのは問題ではない。過ちの中でも取り戻せない大きな過ちを犯してはいけないのだ。そのためには自分の手が届かない範囲まで手を伸ばしてはいけない。着実に一歩一歩進む。それが大きな過ちを犯さないために必要なこと。このことを知っておくことが本当に大切なんだと本書を読んでいて感じました。少しでも自分一人のコントロール以上のことに手を出すことは、ハイリスクハイリターンであることを知らなければいけない。そう心に刻もう。

本日紹介した本

人はなぜ過ちを犯すのか

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