本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

『あなたがその人を捕まえたいと思ったら?』を読んだ

本日の一冊は「あなたがその人を捕まえたいと思ったら?

 サブタイトルには「愛の生物学」とある。性に関する研究をまとめた一冊で、興味深いものが多かった。気になったところを全て書いているとだらだらと長くなってしまうので、その中でも特に印象に残ったものを紹介しておく。

瞳の大きさ

 瞳孔が大きい女性の方が魅力を感じるという研究結果があります。なぜ瞳孔が大きい女性の方が魅力的に見えるのか、被験者である男性に聞いてもこっちのほうが可愛く見えたと答え、瞳孔の大きさには気づいていなかったそうです。では、なぜ瞳孔が大きい女性は魅力的に見えるのだろうか。

進化論的に見ると、男が大きく見開かれた瞳を好むのは、それが性的興奮や受容のサインだからです。男性と話しているときにあなたの瞳孔が(酔っているときや意識が朦朧としているときは別にして)広がっていたとしたら、彼に魅力を感じているというサインです。女の瞳孔は、排卵日や妊娠可能な期間、そしてある程度若い時期にもっとも大きく広がります。

 最近では瞳を大きくするコンタクトも売られていますし、女性がそれらを装着している場合、可愛く見せるため以外に性的アピールをしていることになり、モテやすくなりそうですね。ちなみに女性は、瞳の大きな男にそれほど魅力を感じないそうですむしろ、カナダの大学で行われた実験では、瞳孔の大きさが中くらいの男性が好まれるということがわかっています。男が瞳孔を見開いている場合、それは性欲の証か、もしくは独占欲、自制心を失っている状態と判断されたりして女性から警戒されるみたいです。

体臭の魅力

 ほかの本でも体臭については書いた記憶がありますが、ここでも少し触れておきます。人間には免疫システムの「主要組織適合遺伝子複合体(MHC)」がありますが、女性は、このMHC型が自分とは違う男を好む傾向があることがわかっています。そして、このMHCの見分け方が臭いだそうで、MHCは汗に含まれるのです。女性はこのMHC型によって匂いの好き嫌いを判断していますが、男性はまた違う方法で体臭の好き嫌いを判断しているようです。

 テキサス大学オースティン校の進化心理学者デヴェンドラ・シンとマシュー・ブロンスタッドは、有志の女性19人を募り、それぞれに二種類のTシャツを渡しました。その中の一枚は、もっとも妊娠しやすい期間である排卵期、そしてもう一枚はそれ以外の時期に、三夜連続で着てもらいました。次に、52人の男性に両方のTシャツを嗅いでもらい、どちらをいいと思ったかを尋ねたのです。

 その結果、男性の大半が理由はわからぬまま、排卵期に女性が着ていたTシャツのほうがもう一枚よりずっといいにおいだと感じました。

 男も女もなにかしらの方法で子孫を残すために最適なにおいを感じ取っていることになります。男は妊娠をさせるためにそういう時期の匂いに魅力を感じ、女は自分が産んだ子の免疫が強くなるようにするために匂いを感じ取っており、子孫を残すためのシステムというのはすごいと感じます。

 そして、もう一つ気になる実験結果があります。それは同性愛者と異性愛者の匂いについて。実験では80名以上の同性愛者と異性愛者の男女の被験者を集め、被験者とは別の同性愛者と異性愛者の男女のわきの下に挟んで汗を含ませたコットンの匂いを被験者たちに嗅いでもらいました。そして、嗅いだ匂いにランクをつけるように指示しました。その結果どうなったでしょうか。

 その結果、同性愛者と異性愛者の人々では、明らかな違いのである、特徴的な反応が表れました。そして、もっとも好き嫌いがわかれたのがゲイの男性の汗でした。ゲイの男性は他のゲイの男性の体臭を魅力的に感じたそうですが、実はそう感じたのは彼らだけ。その他はみんな、ゲイの男性の体臭を一番不快に感じたそうです。(中略)ゲイの男性は、女性やストレートの男性にはない臭気成分を何個か余分に持っているのかもしれません。

 その他のにおいへの反応も、性的指向によって違っていました。ゲイの男性は、ストレートの男性やレズビアンの体臭を嫌がりました(しかしなぜか、ストレートの女性のにおいは気にならなかったそうです。)

 どうしてこういった違いがあるのかはよくわかっていないところが多く、研究が進むことを期待しますが、同性愛者と異性愛者はやはり違うシステムが働いているということでしょう。

性的なパーツ

 男はみんな女性の胸がすきなのか。ある研究によれば、胸が大きく、腰にくびれのある女性の体形は他と比べて、妊娠の確立がおよそ3倍という結果が出ています。また、両胸の大きさが違う女性は、左右対称の女性より出産する子供の数が平均的に少ないとも言われています。しかし、「女性の胸のほとんどは、少しは左右の大きさが違うものですし、左胸が右胸より4%大きいのが平均的です」とのこと。さらに中国とアメリカではブラのサイズが年々上がっています。日本でも巨乳化が進んでいるのでしょうか。

 女性の話をしたから今度は男性の話でもしましょう。

世界的に見ると、勃起したペニスの平均的な長さは、およそ13.5センチで、68%の男性が平均的な範囲である11.7~15.2センチ内におさまり、標準的なペニスの外周はおよそ12.2センチだそうです。

  正直こういった調査結果はどこまで信ぴょう性があるかわかりません。その多くがアンケートによる自己申告であり、実際に研究者が定規を使って図ったわけではないからです。こちらのデータもどういった調査方法だったのか記されていませんから注意が必要。ちなみに女性の膣の長さも載っていました。書きませんけど。

ナッシュ均衡

 最後にナッシュ均衡について紹介します。ナッシュ均衡は、ほかの本の時に書いたような気もしますが書いておきます。

ナッシュ均衡とは、ゲーム中に各プレーヤーが、対戦相手の決断や作戦を考慮に入れながら、自分の利益が最大となるように、もっとも効果的な手を打とうとする状況に適用される数学モデルです。

  このナッシュ均衡を用いて男女の求愛活動を考えると、男の最善策は自身の購買力を見せつけることだそうです。購買力を見せつけるということはすなわちプレゼントを贈ったりすることですが、条件があります。

 プレゼントが恋愛というシチュエーション以外では価値がないものであること、という条件つき。この論理で考えると、車やコンピュータを買い与えたり、請求書の支払いをしてあげるよりも、ワインやディナーをごちそうしたり、ハワイ旅行に連れて行くほうがいいということになります。その気がなければ、誘われたからといって何度もディナーやお芝居、旅行について行く女性はまずいないでしょうから。

  プレゼントというとモノをあげることがまず最初に思い浮かびそうなものですが、一緒に体験できることにお金をかけることは大事そうです。女にブランドバッグなどの貢ぎ物をしても恋は成就しなさそう、ということですね。

 おしまゐ。

本日紹介した本

あなたがその人を捕まえたいと思ったら?

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