本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

『ダイエットの科学』を読んだ

本日の一冊は「ダイエットの科学―「これを食べれば健康になる」のウソを暴く

 原題はダイエットの神話だそうだが、日本人には科学という言葉の方が受けるのか変更されている。食品ラベルで見かける様々な食品について、ダイエットをはじめ我々の身体にどういった影響を与えるのかを教えてくれる一冊。どうして装丁にブロッコリーが使われているのかはよくわからなかった。というより本が分厚いため気になるところのみ読了。

同じ体は二つない

 ダイエットは世の女性なら誰しもが一度はしたことがあるように思えるが、その方法は十人十色でその効果もさまざまだ。特に人気のあるダイエット方法は体重を減らすことに重きを置いていて健康や栄養については考慮されていないため危険であると著者は言う。そして、著者は最後の章にてダイエットの中で一番危険なことはなにかを教えてくれる。

 ダイエットにまつわる神話のなかでもとくに危険なのが、食べ物への反応はだれでも同じだと考えてしまうことだ。私たちは、ある食事をしたとき、あるいは何らかのダイエット法を試したときに、自分たちの体が実験用ラットのように、誰でも同じ反応を見せると考えがちだが、実際にはそんなとはない。私たちの体は誰一人として同じではないのだ。

  あるダイエット法で痩せる人もいれば、痩せない人もいる。逆に同じものを食べているのに太る人と太らない人もいる。その差はなにか。なんのことはない、体が違うからだ。だからこそ、自分に合ったダイエットをすべきであり、また健康や栄養を度外視したダイエット法は痩せることには成功するかもしれないが、体に負担がかかり病気になりやすくなり注意が必要とある。

 私たちの体は個別性が高く、みんなが痩せられるダイエット法なんてものはないわけだが、それでも健康に悪影響を与えるものはわかっている。

ダイエットに関しては、議論の余地のない事実もまた存在している。それは、砂糖や加工食品の多い食生活は腸内細菌に悪く、ひいては私たちの健康にも悪影響を及ぼすこと。そして反対に、野菜や科物が多い食生活は腸内細菌に良く、健康にもプラスになるということだ。

 砂糖や加工食品を控え、野菜や果物をとる。このシンプルな方法だけでいい。そうすれば私たちは健康になっていくそうだ。

同じカロリーの違い

 ここからは特定の食品について気になったところを書いていく。まずはカロリー。今や料理屋に行くとそれがどのくらいのカロリーなのかが書いてあるお店もある。昨日は食べすぎたからカロリー控えめにしようとか、今日は腹いっぱい食べたいからカロリー高めなものを食べようだとか。だが、カロリーの値が同じ料理でもそれらが与える影響には違いがあることをサルを対象にした実験が教えてくれる。

管理された条件の下で、42頭のサルにカロリーが等しい二種類の食事を6年間にわたり与え続けた。食事の材料も同じで、違うのは含まれている脂肪の量だけだ。一方のグループは、全カロリーの17%を天然由来の植物油から、もう一方のグループは同じ17%を人工的に合成された、健康に良くないトランス脂肪酸から摂取した。食事は体重を一定に保つように考えられていたが、トランス脂肪酸を与えられたぐるーうは体重が増加し、もう一つのグループと比べて、危険な内臓脂肪(おなかの脂肪)が3倍になり、インスリンの値はずっと悪くなった

 植物油とトランス脂肪酸、たった一つの違いでも影響に差がでる。300キロカロリーの野菜とファストフードがあるとしよう。どちらも同じカロリーと言われても、野菜を食べたほうが体には良いと考えるだろう。しかし、料理屋で同じカロリー数が表示してあれば、野菜が多い料理よりファストフードな料理を選んでしまうかもしれない。同じカロリーなら好きなものを食べたいと思うものだ。だがそれではいけないらしい。カロリーなんてものは見ても仕方がなさそうだと思う。

アルコールは薬か毒か

 適量のアルコールは身体によいと聞く。例えば赤ワインは心臓疾患を予防するなんて言われる。だが本当なのだろうか。著者はアルコールともう一つ、あることが大事なのではないかと考察する。

たとえ赤ワインが心臓疾患を予防するのが本当の話だとしても、せいぜい穏やかな効果しかなく、歴史的に見られる心臓疾患をめぐる違いの説明にはならないだろう。そこに一役買っている可能性があるのが、文化だ。つまり、重要なのはアルコールの飲み方なのかもしれない。毎日のように好きな時間帯にリラックスして飲むというフランス式のやり方に効果があるらしいのだ。多くのイギリス人はこれとは正反対で、ときたま金曜夜の「ハッピーアワー」に、思い出したように一度に大酒を飲んで騒ぐ。

 文化。これは非常に大切な考え方で、本書ではギリシャ南部にあるクレタ島の住人は脂肪の摂取量が高いが、健康状態は良いとあるし、キューバ人はアメリカ人に比べて2倍の砂糖を摂取しているが、はるかに健康であるとも書かれている。これらもまた食事以外の部分、つまり暮らし方によって違いが出ているのではないかと考えられるわけで、その土地柄にあったモノを食べるのが重要であることを示唆している。

 アルコールといっても、ビールとワインでは成分が違う。ビールもまた体に良いとする話もあるが、健康の観点からいうと、適量の赤ワインが良さそうだ。

マルチビタミン

 最後にサプリメントについて一つ。まずは引用から。

マルチビタミンサプリメントの有効性に関する評価結果が公表され、大きな話題となった。報告されたなかには、マルチビタミンについての27件の既存研究を対象とするメタアナリシスと、新たに実施された信頼性の高い大規模な無作為化試験が2件含まれており、被験者は合計50万人近くになる。こうした研究がはっきりと示したのは、有効性は一切ないということである。

 ツイッターで見かけたと思うが、サプリメントは基本的に効果がないから健康食品・栄養食品として売り出されるわけで、もし本当に効果があるなら、それは薬として販売されているという。考えてみればそれもそうかと思うわけだが、サプリメントは安価なものが多く、ついつい手が出てしまう。しかし、この引用文の続きを読むとサプリメントはやめたほうが良いのかもしれないとも思ってしまう。続きにはこう書かれている。

集められたエビデンスすべてを見渡したうえで専門家が出した結論は、マルチビタミンにとって不利なものだった。ベータカロテンやビタミンE、さらに高用量のビタミンAを含む各種サプリメントは、明らかに体に害があるというのだ。ほかの抗酸化ビタミン、葉酸、ビタミンB群を含むサプリメントにも、マルチビタミンサプリメントやミネラルのサプリメントと同様に、死亡率や、主要な慢性疾患の罹患率を下げる効果は見られなかった。

 具体的にどういった害があるのかは本書では書かれていないし、ほかのサプリメントは効果がないだけで害があるとは書かれていない。しかし、体に影響を与えないものを摂取していても仕方がない。やはり栄養素は野菜や果物といった加工してないものから摂取した方が良さそうだ。

 本書にはほかにも糖質やカフェイン、ナッツ、タンパク質などの章があり、一つ一つ丁寧な説明がありダイエットないしは健康に生きるために必要な知識が載っている。

 ダイエットの本というよりは健康の本であることに注意が必要だが、読んで損はないだろう。

 おしまゐ。

本日紹介した本

ダイエットの科学―「これを食べれば健康になる」のウソを暴く

ダイエットの科学―「これを食べれば健康になる」のウソを暴く