読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

国語辞典の面白味『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』

本日の一冊は「学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方

 国語辞典の面白さを教えてくれる一冊。前半はタイトル通り、国語辞典の遊び方や、どういった面白さがあるのかが書かれている。後半は各国語辞典の解説で、わかりやすいようになのか擬人化がしてある。ちなみにオススメ辞書占いといった自分に合う辞書を教えてくれるページがある。試したところ「日本語語感の辞典」になった。買おうかと思っているがまずは本屋で見てみないと思ったりしている。

目次

「右」

 本書では数多くの国語辞典を紹介しているが、それぞれに個性があり、国語辞典というか、言葉の面白さを感じることができる。例えば、国語辞典で「右」という言葉を引いてみると、それぞれに面白い説明をしてくれる。

個性をみるのに有名な例を挙げると、「右」は岩波では「相対的な位置の一つ。東を向いた時、南の方、また、この辞典を開いて読む時、偶数ページのある側を言う」と説明されています。(中略)これが『新明解』だと、「アナログ時計の文字盤に向かった時に、一時から五時までの表示のある側」。(中略)『明鏡』の「右」は、「人体を対照線に沿って二分したとき、心臓のない方」という新手でこの古典見出し群になぐりこみをかけた

 これだけでもそれぞれの国語辞典の差がわかります。特に明鏡の人体を二分するという表現方法は中々にユニーク、かつ分かりやすいですね。ただこの中だと新明解が一番分かりやすそうだなと思いました。

読む用と書く用

 そもそも国語辞典の役割にはどういったものがあるのでしょうか。

基本的に国語辞典というのは、「知らないことば」をひくということが多いでしょう。でも、「知らないことば」には、「意味を知らない」と「読み方を知らない」の二種類がありますよね。

  この「読み方を知らない」というのが重要で、国語辞典には「読むとき用の辞書」と「書くとき用の辞書」があるといいます。例えば「ベネッセ表現読解国語辞典」には表現チャートといって、文章を書くときにどういう表現があるのかの用例があります。これが「書く用の辞書」。対して、「学研現代語国語辞典」には類語と表現という項目があるものがあり、例えば「驟雨」という字が読めない場合に「雨」をひけば、関連した言葉が載っていて「驟雨」は「しゅうう」と読むんだとわかるシステムになっています。これが「読む用の辞書」というわけです。

 本記事の冒頭で、辞書占いの結果、わたしに合う辞書は「日本語語感の辞典」と書きましたが、これはたぶん「書く用の辞書」ですね。後半にある各国語辞典の紹介ページでも、「ニュアンスを大事にする」「文章をよく書く人」にオススメとあります。

国語辞典は二冊持つ

 このように言葉を読む用と書く用の二冊の国語辞典があると便利だなと思うわけですが、国語辞典を複数持っていることによって、言葉のニュアンスや深みについても知ることができます。本書では「恋愛」を例にあげてそれぞれに「恋愛」とはこういう意味だよと説明してあるけれど、正解はないんだよということが書かれています。

これは、<恋愛>という項目だけの話ではなく、すべての項目において、それぞれの辞典で詳しく書いてあるものもあれば、一行で済ましているものもある。つまり一冊しか持っていないと、その辞書に書かれていることがすべてという、非常に狭い世界になってしまう危険があります。

 この説明は国語辞典のみならず、いろいろなことにも当てはまるよなと思います。本書にもありますが、同じ教科でも教える先生が違えば解説も異なります。一つの答えだけが正解だと思わないよう、複数の国語辞典で同じ言葉を引くことが言葉を深く知る上では必要不可欠であるということ。では、数多くある中でどの国語辞典を持てばよいのか。著者はオーソドックスな組み合わせとして「岩波国語辞典」と「新明解国語辞典」を勧めています。

私が考えるもっともオーソドックスな組み合わせは、スタンダードさが売りの『岩波国語辞典』と個性的な語釈の『新明解国語辞典』です。この二冊は、たとえば、フォーマルなスーツとややラフなジャケットとジーンズ、みたいな感じの組み合わせです。

 これに、本書にある辞書占いで出たおすすめ辞書の3冊を持っておけば完璧なのでは?と思います。

気になる国語辞典

 本書の後半は各国語辞典の紹介がされています。その中で、気になった国語辞典をいくつかピックアップ。まずは「集英社国語辞典」。なにがすごいかって国語辞典なのに横書きだということ。ただし、2000年刊行の第二版までのことで、第3版からは縦書きになってしまったそう。今や横書きは一般的な書き方であり、横書きの強みは外来語の原語表記。確かにローマ字の縦書きは読みにくい。しかしながら、国語辞典は縦書きという固定概念からは逃れられなかったのか、いまは縦書き。横書き辞典がまたいつか出ることを望みます。

 次は「新潮現代国語辞典」。この辞典は用例がとても豊富だそうで、小説や新聞、雑誌といった出典の信用度が高いのが良い。

実際に文学作品を読んでいて、わからないことばが出てきたのでこの辞書をひいたら、その用例が載っていた、という場合もあるはずです。

  言葉の意味を知ってもどう使えばいいかつかめない場合は、この辞典が役立ちそうです。

 そして最後に気になった国語辞典は「新選国語辞典」。小型国語辞典のなかで、九万三二〇語を掲載しており、これは九万五千語の「集英社」に次いでだそう。そしてここが特に気になっているのですが、「ツイッター」や「伸び代」、「恵方巻き」といった言葉が載っているそうです。国語辞典に「ツイッター」が載っている。とても気になります。

 この本を読んでいるだけでも国語辞典の面白さはよく伝わってきますが、やはり実際にいくつかの国語辞典を開くことによって、言葉の面白さをより知ることができると思います。著者も「CD一枚買うような軽い気持ちで、国語辞典を買ってほしい」と言っています。今の時代にCD一枚買うような軽い気持ちという表現は少し古臭い印象を受けますが、それでも国語辞典を軽い気持ちで買うというのはよいかなと思いました。

 アプリでも国語辞典が販売されているようなので、なにか一冊ぐらいはアプリで入れておきたいなと思いました。そのためにもまずは本屋に行って国語辞典を手に取らないといけないですね。

 おしまゐ。

本日紹介した本

学校では教えてくれない!  国語辞典の遊び方

学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方