本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

出会い系に載せる写真は自分らしくあれ『恋愛を数学する』

本日の一冊は「恋愛を数学する

 数学者である著者が恋愛のパターンを解き明かしていく一冊。数学者だけあってたまに数式が出てきたりするのだが、解説がとても丁寧でわかりやすかった。ただし、TEDブックスがそういう本なのか知らないが途中途中に挿絵が入っていてページをめくったらイラストがどどんと出てくるのは違和感があった。まあそれを差し引いても内容はとても面白く夢中になれる。

目次

パートナー候補は何人か

 数学者のピーター・バッカスが行った計算によると、彼のガールフレンドになってくれる可能性の人の数より銀河系の知的異星人文明の数のほうが多くなるそうです。そもそも銀河系の知的異星人文明の数はどのくらいなのか。本書では1万と書かれています。1万の知的異星人文明があるといわれてもパッとしませんが、ではバッカスさんのガールフレンドになってくれる可能性の人の数はどのくらいなのか。彼はフェルミ推定という手法を用いてその数を計算しています。フェルミ推定とは、推定したい問題を細かく分け、その分けた問題について裏付けのある予想を立て、最終的にそれらの予想を組み合わせることによって、推定値を真実の値に近づけるというもの。バッカスさんはこのフェルミ推定で以下の推定をしました。

1 近くに住んでいる女性は何人だろうか?(ロンドン在住→400万人)

2 ちょうどいい年齢なのは何人だろうか?(20%→80万人)

3 シングルは何人だろうか?(50%→40万人)

4 大卒は何人だろうか?(26%→10万4000人)

5 魅力的な人は何人だろうか?(5%→5200人)

6 自分を魅力的だと思ってくれる人は何人だろうか?(5%→260人)

7 自分とウマが合いそうな人は何人だろうか?(10%→26人)

 全世界でバッカスさんが付き合いたいと思う女性はたった26人しかいないという結果に。1から4まではきちんとしたデータがあるためその数値に変動はないですが、5から7までの値は変えることができます。本書では5から7の数値をすべて「20%」にして再計算を行っていて、その結果、最終的に残るのは832人になります。この数が多いのか少ないのかよくわからないけれど、はっきりとわかることはパートナーを作るためには寛大な心が必要であるということです。

 こういうタイプの人が好きと考えるのは構わないけれど、実際にお付き合いできる人はそういうタイプではない可能性が往々にしてあるということを肝に銘じなければなりません。確かに今までお付き合いしてきた人と、理想のタイプはあまり一致しません。あくまで理想は理想、現実は現実なのですね。

 今パートナーがいない人はこのフェルミ推定で自分の周りでパートナーになってくれる人がどのくらいいるのか、計算してみてはいかがだろうか。たぶん私の場合は100人ぐらいになるだろうか。まあもう少し多いといいかな。

出会い系に載せる写真

 ネットの出会いは・・・と言う人もいるけれど、アメリカでは新婚カップルの3分の1が最初の出会いはネットになるほどスタンダートになっています。確かに道端やバーでナンパをするよりネットで出会う意思がある男女が知り合ったほうがカップルになる可能性は高いよね。

 本書ではハリーとハーマイオニーという無作為に選んだ二人の名前を使い、無料のデートサイト「OkCupid」での二人のマッチング度の計算について書かれています。このサイトのアルゴリズムは実にエレガントであると著者は言います。

 OkCupidの共同設立者のクリスチャン・ラダーはユーザー情報を収集し、様々な調査をしていて、その一つに、「見た目の良さはオンラインデートサイトでの人気に直結しない」という発見があります。これは魅力の平均値と1か月間に送られてきたメッセージの数とを比較したものから判明したことで、魅力の平均点が高い人の中でもメッセージ数が少ない人もいれば、逆に平均点が低い人でも多くのメッセージを受け取っている人がいるのです。それは特殊なケースではないのです。

 このデータに回帰分析を使い、それぞれが受け取ると予想されるメッセージの数を求める数式を導き出しました。それが以下の数式です。

 

 { \displaystyle \begin{eqnarray} メッセージの数=0.4α_1-0.5{α_2}-0.1{α_4}+0.9{α_5}+k\end{eqnarray} }

 

 このα_1はあなたの魅力を5段階で1と評価した人の数で、以降2,4,5と続きます。最後の値kは、あなたがどれだけサイト上で活発かを示したもの。では、この数式はどう見ればよいのか。例えばα_5は0.9とあります。これは5段階で5とつける人が100人いれば月に90件多くメッセージが届くことを意味します。5をつける数が多ければメッセージが多く来るのはわかりますが、α_1は0.4とあります。つまり1とつける人100人につき、40件多くメッセージが来るのです。本書でもこう書かれています。

読み間違いではありません。あなたの顔をブチャイクと思う人がいたほうが、メッセージを多くもらえるんです。

 このα_5α_1はプラスの数式ですが、α_4α_2はマイナスの数式です。つまり4と評価する人100人につき、メッセージは10件少なくなるというのです。なぜこのような結果になるのか、詳細は書かれていませんがこの傾向にある理由はメッセージを送る側のことを考えればわかってきます。

ユーザーは自分のチャンスについても考えながらメッセージを送っているということが起きているのでしょう。あなたのことを美しいと思う人が、自分以外の人はあなたにそれほど興味がないかもしれないと思えば、競争相手が減るわけですから、あなたにいっそう連絡を取ろうとするでしょう。しかし、あなたのことを美しいと思う人が、他の誰もがそう思うだろうと考えれば、あなたがメッセージをたくさん受け取っていることを想像して、それならわざわざ恥をかくことはないと決心するでしょう。

 この後、本書ではこう続きます。

そして、ここがほんとうに面白いところです。ほとんどの人は、サイトのプロフィール写真を選ぶときに、自分の魅力的でない部分を努めて隠そうとするからです。よくある例は、太りすぎの人が顔だけ切り抜いた写真を選ぶとか、禿げた男性が帽子を被った写真を選ぶ、といったもの。しかし、これと正反対のことをすべきなのです。プロフィール写真を選ぶなら、人から好まれなさそうなところも含めて、あなたが他人と違って見えるとことを取り入れるべきなのです。

  つまり、自分らしくあれということ。こう書いてあっても、それでも多少はよい写真をあげておきたいと思うのが人間の見得というものでしょうね。まだもう少し本書を紹介したいのですが、長くなりそうなので今日はここまで。次回は夫婦の関係性について書く予定です。

 おしまゐ。

本日紹介した本

恋愛を数学する (TEDブックス)

恋愛を数学する (TEDブックス)