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本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

清涼飲料水とスポーツのカフェインについて『カフェインの真実』

本日の一冊は「カフェインの真実-賢く利用するために知っておくべきこと

 2016年に発売された本で原著も2014年と新しい。カフェインがどのようにして誕生しているのかから始まり、飲料水とカフェインの関係をはじめスポーツや病気といったジャンルとカフェインの真実を教えてくれる一冊。本書では特にコーヒーとコカ・コーラの単語が目に付く。

目次

清涼飲料水のカフェイン

 飲料水の中にどれほどの砂糖が入っているのかを示した画像は見たことがあるのだが、どれほどのカフェインが入っているのか示す画像は見たことがない。というか含有量を見たところでそれが多いのか少ないのかはあまり分からない。カフェインの大量摂取は死を招くことを知っている人は多いのだろうか。少し前にエナジードリンクを大量に飲んで亡くなった人のニュースが出回っていたが、大さじ1杯のカフェインを摂取すると人は死ぬそうだ。では、清涼飲料水にはどの程度のカフェインが入っているのか。本書ではカフェイン摂取量を定量化するために「標準カフェイン量(SCAD)」という尺度を用いて説明している。

1SCADはカフェイン75mgに相当する。エスプレッソ1杯、コーヒー150ml、250mlのレッドブル1缶、350mlのコカ・コーラペプシなら2缶、500mlのマウンテンデュー1本、600mlのダイエットコーク1本分に相当する。

 著者は毎日4~5SCADのカフェインを摂取しているようで、2SCADしか摂らないとだるく感じ、逆に7SCAD摂ると落ち着かない感じがするとも述べている。私の場合も毎日コーヒーと紅茶を飲むので3SCADぐらいはカフェインを摂っているかもしれない。紅茶のカフェインについては2008年に行われた調査が書かれている。

2008年に行った茶の調査で、茶に含まれるカフェインの量は、茶葉を湯に浸している時間に比例して増えることが明らかになった。たとえば、リプトンのティーバッグを1分間浸したときのカフェイン量はわずか17mgだが、3分間浸すと38mg、5分間では47mgになる。

 コップにティーバッグとお湯を入れたまま忘れてしまう時がたまにあるが、10分も20分も浸したままにしておくとカフェインが増大してしまうそうで、あまりよくなさそうだ。今後は注意して入れることにしよう。逆にカフェイン量を調節できるという点では紅茶は優れているかもしれない。カフェインが欲しいときは長い時間お湯にいれておけばいいし、カフェインが少しでいい場合はすぐ出せばいいのだから。

 さて、紅茶の話からコーヒーの話に変えよう。カフェインが入っている代表的な飲み物はコーヒーだろう。さきほどの引用にはコーヒー150mlに75mgのカフェイン(1SCAD)が含まれていると書いてあるのだが、コーヒーによってカフェイン量は大きく異なるという結果もあるらしい。

2012年に発表された研究によると、クロージらはグラスゴーのカフェでエスプレッソ20杯購入し、カフェイン量を調べた。カップのサイズは23mlから68mlまであり、1杯あたりのカフェイン含有量は51mgから300mg以上までの幅があった。

 紅茶と違ってコーヒーはカフェインの量を調節するのは難しいばかりか、コーヒーによってバラつきが大きいらしい。本書ではコーヒーの焙煎や品質によってカフェイン量の違いを説明している。焙煎の度合いでは「浅煎り」より「深煎り」のほうがカフェイン量が少なく、品質では「大衆向けコーヒー(ロブスタ種)」より「グルメコーヒー(アラビカ種)」のほうがカフェイン量が少ない。つまりカフェイン量を少なくしたい場合はアラビカ種のコーヒーを深煎りすると良い。

 ちなみに日本のコーヒー事情は、酸味が少ないアラビカ種、口当たりの良いコロンビア産のコーヒーが好まれていると書かれている。とすると、日本人のカフェイン摂取量は比較的少ないのかもしれない。まあエナジードリンクを飲んでしまえばそんなこと言えないのだけど。

アスリートとカフェイン

 カフェイン摂取はスポーツの成績を向上させるという研究結果がある。とするとカフェイン摂取はドーピングになるのではないのか?と最初思う。実際にアンチ・ドーピング教会や国際オリンピック委員会では尿あたりの合法的濃度を決めていたそうだが、2004年に使用禁止物質のリストから外したそうだ。これはカフェインの使用が日常化しているためだそうだ。成績は大幅に向上することもあるが3%程度が多いと本書では記されている。この3%とはどういうことか。

具体的な例で考えてみると、3%の向上は、10時間の競技なら18分の短縮に相当する。(中略)10キロマラソンをカフェインを摂らずに40分で完走できるランナーは、カフェインを摂ると72秒短縮できる。自転車競技のタイムトライアルレースで1時間の記録をもつ選手は、カフェインを摂ると1分半短縮できるのだ。

 こう書かれているとやっぱりカフェイン摂取はドーピングじゃないかと思うのだけど、ある一文でなるほどなと思った。

カフェインの効果は錠剤でもコーヒーでも同じなのだが、受け取られ方は確かに違う。錠剤は薬物という感じがするが、コーヒーは皆が飲んでいる飲料だ。

 試合当日の朝にコーヒーを飲んでやる気を高める姿と、錠剤を飲んでやる気を高める姿。どちらもカフェインを摂取しているだけだが、錠剤を飲んでいる光景はドーピングに思えてしまうけれどコーヒーを飲む姿はドーピングには見えない。実際にアメリカスポーツ医学会もカフェインと運動についてこう記している。

「一流の運動選手が食事の際にコーヒーを飲むのは妥当なことで、一般に受け入れらている。しかし、協議で優位に立つために、意図的に純粋なカフェインを摂れば、明らかに倫理に反する行為であり、ドーピングとみなさえれる」

 そう考えるとドーピングってなんだろうと思い始めてしまうのだけど、カフェインは薬物禁止のリストに入れて制限する前に大衆化してしまったのがためにこのようなことになっているのかなと思ったりもする。訳者あとがきには日本のカフェイン事情が記されているが、長い食経験があることで例外的に指定を受けることなく使用・販売が認められている既存添加物の扱いとある。

 つまりカフェインの効果がまだはっきりとしていない頃から使用していたために、その害がわかってきても制限できないということである。

 ほかの食品でも発がん性があるとか、健康に害を及ぼすとか言われながらも添加されているものはいくつかあると思うのだけど、大衆化してしまったものをいざ禁止するのは難しい。カフェインもまた同じことなのだろう。

 ほかにもカフェインと依存症の関係が気になっているけれど、本記事の文章量が多くなってきたのでここで、

 おしまゐ。

本日紹介した本

カフェインの真実-賢く利用するために知っておくべきこと

カフェインの真実-賢く利用するために知っておくべきこと