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本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

アロマは人の心理を通して働くー『あなたはなぜあの人の「におい」に魅かれるのか』を読んでー

本日の一冊は「あなたはなぜあの人の「におい」に魅かれるのか

スリリングな香りの心理と行動を、やさしく端的に紹介する一冊。

引用:Amazon商品紹介:あなたはなぜあの人の「におい」に魅かれるのか

 図書館の心理学本が置いてある本棚に置いてあったので手に取りました。欲望としてのにおいや、時間のにおい、官能性のにおい、他人のにおいなど、様々なにおいについての独立した章だったので、気になる章を読む形にした。この記事ではアロマセラピーのにおいについて書いていきます。

目次

アロマと生理学

 アロマの匂いは心を落ち着かせたり、集中力を増したり、快眠ができたりなど素晴らしい効果があるように言われますが、しかし、アロマは本当にそのような効果を出すことができるのだろうか。私もペパーミントは集中力を増すようなことを耳にして、ペパーミントの精油を買いました。たまにストーンに数滴たらして使用していますが、あまり実感がわきません。いい匂いだとは思いますが、効果が出ているのかはわからない。そもそも、アロマの匂いを嗅いで心と身体に影響を与えるならば、その成分が体の中に取り込まれていなければならないのですが、そのような確証は得られていないと言います。

多くの植物には飲用すると、生理学的な影響を与えるものがあるとはいうものの、ヒトにおいて、サンダルウッドの香りを吸入することによって、サンダルウッドのエッセンスが血中に検出されるー薬理的な効果を起こすには血中に存在する必要があるはずですがーという科学的な確証は存在しません。

 ご飯を食べれば血糖値が上下するように、アロマの匂いを嗅ぐことによって身体の内部に変化があるはずですが、それはないようです。

アロマと心理学

 では、どうしてアロマには効果があると言われ、実際に使われているのでしょうか。著者は、アロマは人の心理学を通して働くと言っています。

 ラベンダーの香りはリラックスを促し、ペパーミントを嗅ぐと活力が戻ってきます。それはこれらの芳香には嗅ぐことをきっかけとして思い出す、すでに取得された情動的な関連性があるからなのです。私たちはバラの香りが「良く」て、スカンクのにおいが「悪い」と学習したのと同様に、ラベンダーに結び付く情動的な関連性がリラックスであることを「学習」しています。

 このラベンダー=リラックスであると学習したのはいつなのか。ラベンダーは芳香剤で用いられることが多いです。そうしたラベンダーの用途を学習した結果、ラベンダーはリラックス用の匂いと理解していくのです。つまりその匂いはどのようなものか学習したことにより、匂いを嗅いだ時にその学習した効果があると感じるわけです。

 この事実を知って思い出すのは、友人の部屋にお香がたいてあったことです。私はお香の匂いが苦手です。というのも、葬式の場や〇周忌の場が慣れなくていつも居心地が悪かったのですが、その居心地の悪さがいつの間にか匂いと関連付けをしてしまったのでしょう。友人の部屋はお香の匂いが充満していて、とても苦手だなと感じました。フレグランス付きのお香ですから、良い匂いが漂っているのですが、同時にお香独特の煙たい匂いを感じていて、このお香の匂いが脳内で苦手と「学習」していたから、あの部屋は居心地が悪かったのだと思います。

アロマセラピーがもたらす喜びとは、嗅ぐ人の心の中にあるものであり、香りそのものの直接的な作用が生じるのではなく、話題の的となるフレグランスに対する二次的な関連性と、個人的に獲得した感情が起こす働きなのです。

 そう考えると、アロマによってリラックス効果がある、集中効果があると言われていますが、人それぞれに違う効果が表れるということではないだろうか。お香の次はラベンダーの回想をしますけれど、私の祖母はラベンダーがとても好きで、祖母の家はラベンダーの匂いがよくしました。だから、ラベンダーの匂いを嗅ぐと確かにリラックスはするのですが、祖母の家の匂いだからリラックスするのかもしれません。

アロマと実験

 実際に、アロマの匂いを与える実験において、そのアロマが何の匂いかは言わず、そのアロマの匂いは「リラックスする」と言われれば心拍数にはリラックス、「刺激する」と言われれば心拍数には刺激に合った変化が生じる結果が出ています。

メリーウッド大学のエステル・カンペニは与えられたフレグランスが「リラックスする」あるいは「刺激する」と告げられただけで、フレグランスが何であるか、あるいはフレグランスが実際に存在するのかどうかには関係なく、心拍数にはリラックス、あるいは刺激に適合する変化が生じました。ラベンダーの香りが「刺激する」と聞いた学生たちの心拍数は増加し、「リラックスする」と聞いた生徒たちの心拍数は減少しました。ここでの要点は、生徒たちにはなんの香りなのか、一切告げられなかったことです。ただ、それがリラックスするのか刺激するのかという作用が知らされただけでした。

 つまり私たちは匂いの効果を暗示されるだけで、その匂いがどんな匂いかは関係なく、リラックスすることも興奮することもできるということです。

 リラックス効果を出したい時はどんな匂いでもよいのでフレグランスを使用して、その人に「この匂いはリラックス効果があるんだよ」と一言つけたせば、実際にリラックスしてくれることということですね。

 以上、アロマの匂いについて見てきました。集中力が増すと信じてペパーミントを使用していましたが、実感がわかないので信じる力が足りなかったせいかもしれません。今度から、より一層集中力が増すのだと信じ込んでペパーミントを使ってみよう。といっても、この事実を知ってしまったらどんな匂いでも関係ないな。

 おしまゐ。

本日紹介した本

あなたはなぜあの人の「におい」に魅かれるのか

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