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厚みのある本は苦手

『正しい恨みの晴らし方』を読んだ

本日の一冊は「正しい恨みの晴らし方

 サブタイトルにある「科学で読み解くネガティブ感情」がこの本の真のタイトルでした。恨みについての項目はもちろありますが、妬みや嫉妬、間違った正義などのネガティブ感情についても書かれています。とりあえず恨みの晴らし方についてでも書いておきます。

目次

恨みの晴らし方

 そもそも「恨み」とはどういった感情なのでしょうか。

恨みとは「思い出し怒りにとらわれた状態」もしくは、「怒りをもたらした出来事を反すうせざるをえない状態」とみなせます。

  なにか相手に嫌なことをされたときに、人は怒りを覚えますが、だいたいの怒りは一過性ですぐに忘れたり気にしなくなります。しかし、中には頭から離れない怒りがあり、その怒りが続く場合、それが恨みとなるわけですね。

 さて、ではこの恨みをどう晴らすのがよいのでしょうか。著者は「シャーデンフロイデ」が重要と言います。シャーデンフロイデとは、誰かが不幸になっている姿を見て喜ぶといった経験のことを指します。ドイツ語で「傷がついた喜び」を意味する言葉で、日本では「ざまあ見ろ」や「いい気味」、ネットスラングでは「メシウマ」といった言葉と同様です。このシャーデンフロイデは、他者の不幸が相応しいものであればあるほど経験しやすくなるそうで、本書では飲酒運転で捕まった学生が例にあげられています。

 たとえば、ふたりの大学生が飲酒運転で別々に警察に捕まったとしまう。ひとりは飲み会で自分の意志で飲み、友人に運転を止められたにもかかわらず自らの手でハンドルを操作。もうひとりは、飲み会では一切飲まず、飲酒した友人が運転する車に同乗したところ警察に見つかり幇助の疑いがかけられた。

 どちらも同じ不幸ではありますが、どちらの不幸がより嬉しいかと問われれば、おそらく前者の大学生と答えるでしょう。なぜなら、自業自得だからです。別の言い方をすれば、その人が被るに相応しい不幸だからこそ、面白いと感じられるのです。

 こういった話を聞く機会はあまりないかもしれませんが、テレビでは「忠臣蔵」や「必殺仕事人」などのドラマが放送されています。これらは主人公が敵を懲らしめることによって、敵が自業自得で不幸になる様子を描いており、それらを見た視聴者は爽快感や喜びを感じます。そして、ある実験によると自信喪失気味の人が、プライドを傷つけられると、まったく関係のない他人の不幸を喜ぶことで自分を慰めるようになるということがわかっています。恨みもまた、プライドが傷つけられたことによって起こるものですから、恨みの感情を抱いた出来事も、その出来事とは関係のない誰かの不幸で癒せるかもしれないということです。つまり、こういうことです。

他人の不幸を利用したエンターテイメントによって少しでも溜飲が下がるのだとしたら、それこそ、まさに「正しい恨みの晴らし方」の一つといえるでしょう。私たちは、期せずして、自分の恨みを誤魔化すすべを知っていたのです。

 といった内容が本書の第1章「恨まずにはいられない」には書かれています。2章以降は妬みや羨み、正義、愛と憎しみと嫉妬などについても書かれています。こういったネガティブな感情とどう向き合うか知っておくことは、自分の感情をコントロールする上で大切なことですので、気になる方はぜひお読みください。

 おしまゐ。

本日紹介した本

正しい恨みの晴らし方 (ポプラ新書)

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