本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

文系でも読める理系の本 『体感する宇宙』

 

本日の一冊は「体感する宇宙

 

 前著「体感する数学 」の続編。数学のお次は宇宙ということで、宇宙に関する事柄の日常での出来事に言い換えて解説してくれる一冊。言い換えがとてもうまくて、わかりやすいです。

 

宇宙旅行

もしも、家の電気のブレーカーが落ちたら?

家の電気のブレーカーが落ちたらブレーカーのスイッチのところへ行きますよね。電気は落ちていますから真っ暗です。この真っ暗闇のなか、ブレーカーの位置を考え、まず廊下に出る・・・ドアをあけて何歩・・・この上に・・・などイメージして歩くことでしょう。

それが「宇宙旅行」だ!!

 

宇宙旅行には道はありません。動物の歩いたところが道になるように、そもそも道というものは存在しないわけですね。地球では目的地に向かうために道順を考えます。あの建物を曲がって、進んで曲がってなど。しかし、宇宙旅行には道がないため、どのようにして目的地まで向かえばいいのか。その答えがブレーカーが落ちて真っ暗の部屋を歩くようなものというのです。 以下長いですが、私の言葉だとわかりにくくなると思いますので解説を引用します。

まず、ゴールの場所と到着日時を定めます。月に行くのであれば、何月何日に月があるはずの位置というのを調べるわけです。そして、そこに向かって飛び立ちます。飛び立ったら、自分が乗っているロケットの加速度(ロケットをどれくらいふかしたか)を測ります。すると「今これくらいの時間ロケットをふかしたから、これくらい進むはずだ」というのが計算できます。ふかす時間というのをあらかじめきっちり決めておいて、その時間だけふかせば、予定通りの距離を移動できるということです。また、ふかす方向をあらかじめきっちりと決めておいて、この繰り返しで、目的地まで進むわけです。

宇宙旅行で重要なのは加速度のようですね。曲がるとかそういう概念ではなく、進む速度を計算して目的地に到達する。そう考えると、ブレーカーが落ちた暗闇の中を歩くときは、進む速度は計算していないから少し違う感じもしますね。暗闇の中を手探りで進んでいくのはそうかもしれませんが、速度を計算して目的地に到達するという考えだと電車の線路みたいな感じでしょうか。電車は線路という道がありますが、目的地に向かって進み、速度を変えながら時間通りに駅につきます。真っ暗ではないし、そもそも道があるから迷うことはないのだけど。宇宙の出来事を日常の出来事に言い換えるのは難しいってことですね。でもなんとなく把握することができて非常に楽しい。

 

宇宙旅行での目的地までの向かい方はなんとなくわかりました。では宇宙旅行の必需品とはいったいなんだろうか。まずは目的地に向かうための、エンジンをふかした時間を測るストップウォッチと、速度や距離を計算するための計算機。では生存するための必要なものはいったいなにか。当然ですが食べ物。そして水です。そしてもう一つが電気。真っ暗の中ではなにもできませんから明るさは必要ですね。この水と電気は、水素と酸素から作り出すことが可能だそうです。(授業で習ったかもしれないが忘れている)

 

つまり・・・

さて、宇宙に行くのに必要最低限なものは、これで揃いました。ストップウォッチ、計算機、水素と酸素、食べ物。この5つがあれば、いつでも宇宙に飛び立つことができます。将来、一般人でも宇宙旅行が可能になったときのために、ぜひ覚えておいたください! 

 一般人が宇宙旅行できる日はやってくるのだろうか。

 

まあこんな感じで一つ一つの宇宙に関するキーワードを丁寧に説明されている本著。私が一番気に入っているのは装画や挿絵を描いている「日常」の作者、あらゐけいいいちさんのイラスト。本当にかわいいものばかりで、ぜひイラストと一緒にこの宇宙の不可思議さを感じ取ってほしいものです。

 

 

ニュートリノ

もう一つ、宇宙のキーワードを紹介したいと思う。

もしも、コミュニケーションに消極的な人が、クラスにいたら?

コミュニケーションに消極的な人って、コミュ障みたいな人のことでいいのでしょうか。それとも陰キャラみたいな人?さて、この人たちのことをどう宇宙と関連付けるのか。

それが「ニュートリノ」だ!!

 にゅーとりの?

人とコミュニケーションをとるのが苦手、もしくは面倒臭い、特に必要性を感じない、という人は、世の中にたくさんいるでしょう。こういう人は学校や会社の仲間と、あまり積極的に関わりませんよね。(中略)17種類の素粒子の中で、こうした性質を持つのが「ニュートリノ」です。

 ニュートリノは、素粒子と相互反応することはほとんどなく、普段は素通りだそうです。そういう他の素粒子と関係性を持たないところをコミュ障と結びつけたよう。この本は2014年発行なので、2015年に「ニュートリノ振動の発見」でノーベル物理学賞受賞した梶田さんの話が載っていないのがなんとなく残念。

 

本著では、ほかにもブラックホール、ホワイトホール、ダークマター、原子星などの気ワードを言い換えていたり、そこれそタイトルにある体感というように、宇宙、磁場、衛星についての宇宙の基本を体感する章もあり、文系でもなんとなく宇宙を知ることができるような一冊になっています。

 

今度は体感する元素なんかも出てくるのでしょうか。さらなる続編に期待です。