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本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

お酒を飲むと魅力的に見えるしナルシストになれる 『悪癖の科学-その隠れた効用をめぐる実験』

 

本日の一冊は「悪癖の科学--その隠れた効用をめぐる実験

 

はじめにの終わりにはこう記されている。

この本はセックス、依存症、悪態、危険運転、落書き、チューインガム、ジェットコースターと話題満載だ。ロマンスあり、冒険あり、九死に一生の体験もあるし、思ってもみなかった研究結果も登場する。扉は開かれた。心理学の世界にようこそ! 

 

タイトルは『悪癖の科学』とあるが、なにが悪癖なのかはよくわからない。ただし依存症や危険運転は悪癖と言えるだろう。しかしセックスは、ジェットコースターに乗ることは悪癖なのか。この本のサブタイトルはその隠れた校用をめぐる実験とある。さきにあげた話題の隠れた効用をこの本は教えてくれる。

 

そう、例えば、「第2章 酒は飲め飲め」とあるように、お酒は飲んだ方が健康になれるのかもしれない。

 

お酒の効用

適度な飲酒は身体に良い、そう耳にした人は多いと思います。実際に、ある調査では酒を一滴も口にしない人から、かなりの量飲酒する人までの病気にかかるリスクは、ほどほどに飲酒する人がいちばん低いという結果が出ている。

 

イギリスでは、純アルコール8グラム(100ミリリットル)が飲酒の基準単位になっている。週に31単位以上、つまりアルコール度数5パーセントのビールなら10パイント(約5.7リットル)以上飲むグループと、まったく酒を飲まないグループは、週に31単位未満のグループにくらべて心臓病で死ぬリスクが2倍だった。

 

つまり、週に飲むお酒の量をアルコール度数5%の場合なら5.7リットル以下に抑えることで病気のリスクを低くすることができるというのだ。こうした結果は、今後のアルコール飲料業界にとっては朗報になるのかもしれません。

 

しかし、このデータを鵜呑みにしてはいけないと著者は言います。

飲酒と病気の疫学調査では、適量飲酒者のほうが非飲酒者より健康面で有利だという結果が見られる。これに対して、適量飲酒者は一般に裕福で恵まれているからだという批判がある。

 

お酒を飲めない人は、飲めないわけではなく、お酒を買うことができない人たちであり、彼らは貧困層であり、栄養をきちんと摂取していないから病気のリスクが高いという指摘です。人間というのは様々な関係性の中で生きていますから、飲酒の度合いだけで病気のリスクをはかることは難しいのかもしれません。

 

また、酒を飲まない人は、すでに病気の兆候があり、お酒を控えなければならないのかもしれません。このような見方も忘れてはいけないよ、と著者はいうのです。

実験というのは、どうしても現実とはかけ離れた環境で調査することもあり、実験現場で出た結果をそのまま現実世界と同じだと判断してはいけないのですね。

 

お酒を飲むことによって健康になれるのではなく、お酒を飲める人は健康体であると考えた方がいいのかもしれません。不健康になったらお酒を控えなくちゃいけませんからね。いつまでもお酒を飲めるよう、健康なカラダを保たねば。

 

 

 

ビール・ゴーグル効果

 

では、お酒を飲むことによって得られる効用はないのでしょうか。

酒を飲むと異性がセクシーに見えてくる。

 

大学内にあるバーに行き、酔っぱらった学生に顔写真を見せ点数をつけてもらう。すると、酒を飲んだ女性は、飲んでいない女性よりも男性の顔写真を魅力的と評価しました。これは男女が逆でも同じだそうです。

 

これを「ビール・ゴーグル効果」と呼ぶそうです。お酒の力ってすごい。気になる異性がいる人はお酒を飲ませると、自分を魅力的に見せることができるかも。

 

そしてお酒の力はもう一つ。お酒を飲むことによって、自分自身も魅力的と考えてしまうそうだ。つまりナルシストになる。

 

これはお酒の十分な効用だろう。お酒は他人を、自分を魅力的に見せる素敵なアイテムなのです。

 

酒は人間の注意力を鈍らせるが、それがかえって人づきあいには有益であることがわかった。適量の飲酒によって、自分自身も他人も魅力的に見えるし、とくに男性は相手の距離を縮めることができる。狭苦しい環境に息を詰ませる現代人には、とてもありがたい効能だろう。

(中略)

酒を抜きにして都市生活は成りたつのだろうか?