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本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

あなたはピンクが好きか。 「女の子は本当にピンクが好きなのか」

ジェンダー 社会

 

本日の一冊は「女の子は本当にピンクが好きなのか

 

 

ピンク・ブルー問題

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男の子はブルー、女の子はピンク。

赤ちゃんが身につける服、そして遊ぶおもちゃ、日用品で選ばれる色である。

 

ピンクを女性の色と考えるのは、第二次世界大戦以降のことらしい。

 

このピンクとブルーの色分けはもともとフランスの風習の一つだそう。

19世紀末のフランスには、すでに新生児の女の子にピンクの服を着せる習慣が誕生していたらしい。女の子に着せるベビー服は「ローズ・ボンボン」、男の子に着せるベビー服は「ブルー・ベベ」と呼ばれた。

 

それまで男女の区別はあまりなく、しかも男の子もドレスを普通に着ていたらしく、写真も残っている。その後、男であるというアイデンティティを育むことが奨励されるようになった欧米では、服装が男らしくなっていく。

 

欧米の影響を受けて、日本もピンクブルーの色分けが定着していくが、一つ問題があった。それが「ピンク=エロ」を象徴する言葉だったこと。

 

ピンク映画やピンクサロンなどの言葉からピンクは性風俗をイメージさせた。ちなみに英語のpinkにわいせつな意味はないようで、わいせつな色はblueらしい。

ピンク=エロのイメージがある中、ピンクの代わりに使われたのが「赤と白」

 

ピンクの代わりに、高度成長期の女児には「赤と白」があてがわれた。日本初の少女向けアニメ『魔法使いサリー』(1966年放送スタート)、続く『ひみつのアッコちゃん』(1969年放送スタート)、『キャンディ・キャンディ』(1976年放送スタート)も、ヒロインは赤と白のファッションが中心であった。

 

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出典

魔法使いサリー(第1期) - TOEI ANIMATION

ひみつのアッコちゃん - TOEI ANIMATION

『キャンディ・キャンディ劇場版』(1978)女の子たちが大好きだったアニメなのに…。 良い映画を褒める会。/ウェブリブログ

 

ランドセルの色も赤。当時は赤と白を使いピンクをイメージさせていたのだろうか、それとも青の反対として赤だったのだろうか。

 

1974年に誕生したハローキティも赤と白だった。そうして赤と白は女の子の色として定着していく。

 

では「赤と白」がいつから「ピンク」になったのか。

ピンクが女児のものとなる最初のきっかけは、1970年代後半のピンク・レディーの登場だった。(中略)ピンクとキラキラした書き文字は、自分には似つかわしくない浮かれ具合に思えた。おそらくあのころが、女児ピンク解禁の端緒だったのだろう。

 

その後1980年に放送された『魔法少女ララベル』がピンクのワンピースを着用しだした。さらに、1983年にパステルカラーを基調とした『魔法の天使クリィミーマミ』が登場。しかし、少女向け商品はまだまだピンク一色にはならない。ピンク=エロのイメージは薄れたが、ぶりっ子のイメージがついてしまったのだ。

 

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出典:魔法少女ララベル - TOEI ANIMATION株式会社ぴえろ 公式サイト

 

当時はピンクを着ることで、自らのかわいさを自覚して売り込むことは恥ずかしい振る舞いであり、ぶりっ子として見られたらしい。クリィミーマミのパステルカラーは「かわいい」が、ピンクは「かわいいぶりっ子」だった。こうしたピンクの考えが変化していくのは90年代後半。ハローキティがピンクを使い始めるところにある。

 

これ以降、女の子の振る舞いにも変化が表われる。

 

90年代以降、少女たちはおでこを出し、制服のスカートをミニ丈にして足を出し、内股ではなく堂々と大地に足をつけるようになった。もじもじするより若い身体を誇るようにふるまうほうがかっこいい、という価値観の転換が訪れたのだ。モーニング娘。にしろSPEEDにしろ、人気アイドルは自らアイドルを目指して主体的に努力する姿を見せ、そのストーリー性をも武器としてヒットチャートに君臨した。もはや少女たちは、かわいさを自覚していることを隠す必要はなくなった。女性の社会進出にともない、ぶりっ子は女子力と名前を変えて、生存戦略の一種として積極的に推奨されるようになった。

 

「ぶりっ子は女子力と名前を変えて」、なるほどなと思う。女らしさをアピールするという意味合いではどちらも同じか。言葉の変化によって受け入られ方も変わるみたいで、言葉というものは面白いと感じます。

 

ピンク=エロというイメージもそうですけど、言葉のイメージは時としてマイナスとなってしまいます。

 

話はそれましたが、以後ピンクは女性の色として登場してくるのです。そう、女の子向けのおもちゃがすべてピンクになるようまでに。

 

 

 

かわいい女の子のロールモデル

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ピンクとは話がそれますが、気になったのが女の子は「女の子」として育つという点。

「かわいい女の子」のロールモデルが「頑張り屋さんなんだけど、算数は苦手」である社会では、かわいい存在でありたいと願う女の子は自らそちらのイメージに、"寄せていく"のである。本来の好き嫌いに関わらず。そうして、本当に数学がわからなくなってしまうのだ。

 

自覚している好き嫌いとは別に、潜在的な好き嫌いを測定するテスト「FUMIEテスト」なるものがあるらしい。このテストを用いて、中学生の数学嫌いを調査したのがある。

 

男子生徒の場合は、アンケート調査とFUMIEテストの好き嫌いはほぼ一致。数学が嫌いと答える生徒は本当に嫌っているという結果になった。一方、女子生徒では食い違いが起きた。アンケートで嫌いと答えた女子も、FUMIEテストでは数学に肯定的だった。

 

これが「かわいい女の子」を演じた結果だろう。こういった自分が属する集団への否定的な意見を意識することで、実際に能力が低下する現象を「ステレオタイプ脅威」という。

 

学力調査でも、女子は男子よりも理数の点数が低い。これはこうした「女の子」のイメージが影響を与えているところもあるだろう。このイメージがそのまま続いていくと、女子の就職先も限られていく。こうした女子の就職先をピンクカラーと呼び警告を鳴らしている。ピンクカラーの職種は、サービス系、ケアワーク系、美容系、語学系、人文系などを指している。このピンクカラーの問題は女子の大半がこの職種につくことによって、賃金が安くなっていくところにある。

 

女性の社会進出が進む日本だが、まだまだ女性の職業選択に多様性はやってこないかも。

 

ピンクが好きなのか

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男の子の中にもピンクが好きな子はいる。逆に女の子の中でピンクが嫌いな子もいるのである。小学校低学年の頃になると、女の子はピンクからある色に好みを変える。

 

水色だ。

 

 

日本色彩研究所が好きな色アンケートを実施したところ、小2女子の4割以上が、最も好む色として「水色」をあげたそうだ。ちなみに小2女子の2割が最も嫌いな色として「ピンク」をあげた。

 

調査を実施した日本色彩研究所は、「小学校低学年の女子はピンクを「かわいい」「子供っぽい」「女の子っぽい」色と感じており、それよりも「きれい」で「すっきり」「さわやか」なイメージの水色を好ましいと感じているからでしょう」と、その理由を推測している。(中略)「ピンクは子供の色、水色はお姉さんの色」というのが低学年女子の共通認識であるようだ。

 

誰が何色を好きになっても構わない。好みは自由だ。しかし、この女の子のピンク嫌いと水色好きは、大人が作り出したピンク一色への対抗心の表れかもしれない。

 

女の子だからピンク。こうした短絡的な思考は悔い改めていってほしいと願うばかりだ。

 

おしまい。