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本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

鏡の自分と相手が見る自分の顔は違う 「自分の顔が好きですか?――「顔」の心理学」

心理 社会

 

本日の一冊は、自分の顔が好きですか?――「顔」の心理学

  顔は自分と社会をつなげる重要な役割を担っているとして、顔に関する話題から、自分について、そして社会とどうつながっていけばよいかなどが書かれている一冊。

鏡の自分

  さて、突然ですが、下の二つの顔、どちらが女性らしく見えるでしょうか。

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http://www.perceptionlab.com/WEBPAGE/Transforms/hemispheric/pre-print.pdf

  右の顔を女性らしいと判断した人は、向かって左側にある顔で印象を決めているようです。この顔写真、気づいた人もいるかと思いますが、左右反転したものです。

  なぜ左右反転しただけで印象が変わるのでしょうか。それにはもう一つの秘密があります。

実はこの顔、顔の真ん中で二つの別の顔をくっつけています。片側が女性らしい顔、もう片方が男性らしい顔です。左の写真は、向かって左側が男性らしい顔で、右側が女性らしい顔となっています。右の写真は逆に、向かって左側が女性らしい顔で、右側が男性らしい顔となっています。

  向かって左側の顔が印象を決める大きな要因となるようで、ふだんの生活では顔の右側です。しかし、自分の顔を見る場合に鏡を使わなければならないのですが、この鏡は左右を変えてしまいます。

  この場合、印象を与える顔が逆になります。そのため鏡に映る自分は、印象が違って見えたりするのです。

鏡を見てチェックする自分の顔は、みなみ見られている顔とは違うものだといえるでしょう。

  つまり、鏡の自分を見ても、相手が見ている自分の顔にはならないということ。どうしたら相手が見ている自分の顔を見ることができるのでしょうね・・・。

プリクラ文化と目

  プリクラは日本で流行っていますが、欧米ではあまり流行っていないそう。

プリクラを欧米に輸出しようとしているそうですが、欧米では肌の補正以上の加工は受け入れられないようです。自分らしさがなくなるから、との理由です。

  いやいや海外にもプリクラはあるだろうと思い検索すると、こんな記事を発見。

www.nikkei.com

  この記事の中に、このような記述がありました。

日本版は加工技術が年々進化し、女子中高生や女子大生の「カワイイ」を実現してきた。瞳は大きく、肌は白く、あごのラインはすっきり、脚はほっそり――。画像認識と自動加工の組み合わせで「奇跡の1枚」を量産する。いわゆる「盛る」写真は20年近く磨き続けてきた自慢の技術だが、荒木氏らが日本版を現地に持ち込み、使用後の感想を聞いてみると驚きの答えが返ってきた。「こんなの私じゃない」

 「日本女性の場合、『カワイイ』『キレイ』のトレンドが統一されている。プリントシール機も、そのトレンドに沿った加工技術を磨いてきた。一方、米国人は一人ひとりの個性やアイデンティティーを大切にする文化があるようだ」と新本常務。瞳を大きくしたり、顔の輪郭を修正したりする過度な加工は嫌われる傾向があるという。どこまでの画像加工なら受け入れられるのか、現地の人の意見をヒアリングしながら微調整を重ねた。

海を渡った「プリクラ」 あえて日本流薄め大勝負 :日本経済新聞

   こういう記事から受け入れられないと書いているのかなと思うわけですが、現在の海外のプリクラ事情がどうなっているのかわかりません。実際に、去年にはニューヨークにプリクラ機が設置されている記事もあるようで、どこまで受け入れられているのかは謎です。

NYに初の「プリクラ」登場-でか目効果や浮世絵背景も - ニューヨーク経済新聞

  ただプリクラの加工に抵抗があっても、化粧はしますし、整形のほうが抵抗がないようで、じゃあ自分の顔っていったいなんなんだと考えてしまいます。 

 

 著者はこの文化の違いをデジタル環境からこのようにまとめています。

整形や化粧はよくて、写真の加工はダメというのは、日本人からすると不思議に感じます。ひょっとすると日本は、アニメやマンガの先進国であることから、どの国よりもデジタル環境を許容しやすいのかもしれません。そのためデジタル加工した顔も自分と思うことに、抵抗を感じていないのかもしれないです。 

  最近ではアプリで顔を犬にしたりするものが日本では流行っています。こういうところからも、日本がデジタル加工に慣れているということがわかりますね。

  ちなみに化粧の話も少し書かれていて、アイシャドウは10%目を大きく見せることができて、アイラインを濃くすれば5%、マスカラをつければ6%目を大きく見せることができるそうです。

  ただとにかく目が大きく見えればいいってわけでもなくて、平均より7%増しぐらいがちょうどよく見える目の大きさらしいです。目の平均の大きさってなんだろうって思いますけどね。

 

 

美男美女の洪水

  好きなタイプを聞くと、理想が高いねと返される人がいます。彼らはなぜ理想が高くなってしまったのでしょうか。

  その答えの一つに情報化社会があるのではと著者は言います。

私たちは、メディアの洪水の中にいます。テレビやインターネットでは、ハリウッドスターから韓流まで、世界中の美男美女の顔を目にします。これまでの社会ではありえないくらい、多くの美男美女の顔を見ているのです。平安貴族や江戸時代の人々が見たら、腰を抜かしてびっくりしてしまうことでしょう。みなさんは、子どもの頃からこうした環境の中で育ってきたのです。
 美人の基準は、これほどないほどにグレードアップしていることでしょう。イケメンにこだわる風潮は、顔の基準が高すぎることが原因のひとつかもしれません。そんな基準で、現実の配偶者を考えるとなると、なかなか困ったことになりそうです。

  テレビや雑誌に出てくる人たちはどれも美男美女。インターネットを使えば世界中の美男美女を見ることができます。

  そんな美男美女を見たあとに私生活で出会う人々に目を向けてみましょう。どうしても劣って見えてしまいます。

  外見だけで判断してはいけないとよく言いますが、第一印象は誰だって外見で決まるものです。それこそ顔というのは重要で、人を覚える要因は顔が大部分を占めています。体格だけで人を見分けるのは難しいでしょう。

 

最初にも書きましたが、顔は自分と社会を繋げる大切な要素。顔について知ることは、社会とつながっていくための力となるでしょう。

 

おしまい。