本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

「疲労」は脳が作り出す感覚 『「病は気から」を科学する 』

 

疲労感とは、脳により中枢性に強いられたもの

 

本日の一冊は「「病は気から」を科学する

 

いいタイトルだとは思うのだけど、中身が微妙に違う路線のように感じた。

 

ただの水を飲んでも治癒力が高まるプラセボの話や、痛み、ストレス、疲労など身体の不調と、それらに対して心、いわゆる脳がどう処理しているかの研究結果がまとめられていて面白い。

 

疲労は感覚

 

特に、疲労の章では、「疲労は脳が作り出す感覚」としている。

 

脳が筋肉の限界に先んじて行動を起こし、末梢部位から損傷を知らせる合図が出されるずっと前に疲労を感じさせ、強制的に運動を中止させる。言い換えれば、疲労は身体的な現象ではなく、破壊的な損傷を防ぐために脳が作り上げる「感覚」あるいは「感情」だ。

 

このシステムを「セントラルガバナー」と呼ぶそうです。

 

要は、過度の運動をして身体に負担をかけすぎると、いざという時に動けない。そうならないために、負担をかけすぎる前に脳が疲労を感じさせ、過度な運動をさせないよう命令している。

 

これからの季節、暑くて体がだるくなってしまいますが、これもセントラルガバナーの仕業だそう。

 

暑いと体がだるくなるのは、筋肉が疲れたからではなく、セントラルガバナーが体の過熱に備えて身体活動を制限するからだ。病気になれば、休息し、感染症と闘うための資源を蓄えられるように、免疫系が信号を出し、疲労を生じさせる。

 

ということは、このセントラルガバナーがなければ人は疲労を感じず、限界を超えたパフォーマンスができるということでしょうか。

 

まあ限界を超えると身体に負担がかかりすぎて死んでしまうかもしれませんけど。

 

ここで思うのは、火事場の馬鹿力はこのセントラルガバナーが弱くなった結果なのかということ。

 

これに関して、人は緊急事態になれば限界を超えると書かれています。

 

先に課題がはっきりわかっている、あるいは生死がかかっているなら、セントラルガバナーがそれを考慮し、手綱を緩める。

これこそ、人が緊急事態となれば、普通ならできない、体力と持久力による離れ業をやってのける理由だ。

 

 

もう動けないと思ったその感覚は、実は脳がそう思わせているだけで、実際はまだまだ動ける体力は残っているということですね。

 

だからといって無理をすると、身体に負担ですから気を付けないといけません。

 

基本原理

 

さて、疲労の章だけで話が終わるのもなんですので、まとめにあった基本原理についても引用しておきます。

 

私が知った大半の経路の中心には、ある基本原理がある。それは、怪我や病気で危機的な状態にあっても、日常生活においても、自分は安全で、気遣われ、状況を掌握していると感じていれば、体の調子がよくなるということ。痛みが軽くなり、疲れにくくなり、病気をしなくなる。免疫系が体を攻撃することなく、体のために機能する。緊急時の防御態勢を解除し、修復と成長に専念できる。

 

はじめにで、「心は万能薬ではない」と述べておきつつも、それでも実際に心の力で身体がよくなる事実があるわけで、心の力でなんでも治るわけではないけれど、心の力を使いこなせれば、回復が早くなったり、完治する。

 

我々はもっと心について知らなければならないなと思う一冊でした。

 

おしまい。