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本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

なんとなく好きは何回も見た結果 『脳をその気にさせる錯覚の心理学』

心理

 

本日の一冊は「なぜ、それを好きになるのか?脳をその気にさせる錯覚の心理学

 

なんとなく好きになっていく過程と、なんとなく好きにさせる点を明かした一冊。

 

何回も見れば好きになる

 

この、「なんとなく好きになる」の中心的概念として単純接触効果があります。

 

繰り返し見ていれば、それだけで好きになることーーこれを心理学の専門用語で「単純接触効果」と呼びます。

 

どうして繰り返し見ているだけで、好きになっていくのでしょうか。その理由として有力なのが、何回も見ることによって脳の処理がスムーズになることによって好きという感情が意識として表われるためというもの。

 

何回も見ることによって、ある対象への脳内の処理が滑らかになった時、「これだけスムーズに処理できるのは、私はこれが好きだからに違いない!(だって好きなことはスラスラできるから)」という意識、より正確に言えば、後者の「これが好きだ!」という感情のみが意識として表われてくるのです。

 

これを「処理の流暢性による誤帰属」と呼ぶらしいです。難しいです。

 

簡単に言うと、何回も見ることによって処理が流暢になっていくわけですが、この処理の流暢の原因を何回も見ることによって行われた(正しい原因)とするのではなく、私はこれが好きなんだというポジティブな感情を原因(誤った原因)にするというものです。

 

この「処理の流暢性による誤帰属」を成り立たせる理由の一つが「平均顔」です。20人の顔を平均化していくと、その顔は魅力的、もしくは好ましく見えてくるというもの。平均顔が好まれる理由は「脳が処理しやすいから」とされていて、人間は見慣れているものを好きになっていくんだってことですね。

 

逆に脳が処理しにくいものにはネガティブ感情が芽生えていくわけで、脳が流暢に処理できない状態、例えば初対面で問題を起こすとネガティブ感情がすぐ出てしまうから要注意ってことでしょうか。

 

勉強嫌いから勉強好きへ

 

最後の章には、少し話が脱線して、勉強を好きになる方法が紹介されています。

 

「処理の流暢性の誤帰属」を利用する方法として、とにかく簡単な問題を繰り返し、何回も解けと書いてあります。

 

処理の流暢性を高めるには、ドリルや初級問題のように簡単な問題を繰り返し、何回も解けばいいのです。すると、そういった簡単な問題に対しては脳内での処理の流暢性がすぐに上がります。脳内での流暢性が高まれば、その題材に対して「なんとなく好ましい」という感情が湧き出てきます。いきなり難しい問題にはチャレンジしないことがポイントです。

 

やはり基礎がないと応用はできませんから、簡単なことから始めましょうってことですね。ただこの簡単な問題を繰り返すことは、過剰学習と呼ばれ、勉強に対する嫌悪感は低くなるかもしれませんが、学力はさほど上がりません。

 

学力を上げるためには、分散学習がいいよってことですが、もはや好きになるとか関係ない。そして最後にテストの成績に関する研究を紹介しているのですが・・・

 

最後にテストの成績に関する興味深い研究を紹介します。よい学校に進学したり、全国共通テストでよい成績をとったりする学生の特徴は何でしょうか?知能指数(IQ)?

実は違いました。結果は「自制心の強さ」です。つまり、遊びたいとかさぼりたいといった気持ちを抑えられる力が一番関係していたのです。

(中略)

なおこれまでの研究から、「自制心=筋肉」だということがわかっています。つまり自制心とは、

●鍛えれば誰でも強くなる。

●使いすぎるとしばらくは機能しなくなる。

といったように、筋肉とまったく同じ特徴を持っているのです。精神的に疲労している時は、リラックスして自制心を回復させましょう。

 

「勉強を好き」と脳に錯覚させてからは、己の戦いということですね・・・。

 

この本の中で一番おどろいたのが「自制心=筋肉」というキーワード。どういうことなんでしょう・・・私、気になります。

 

おしまい。