本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

人権は平等でも能力は不平等 「「頭のよさ」は遺伝子で決まる!? 」

人権が平等であるからといって、能力は残念ながら平等ではありません。

本日の一冊は「「頭のよさ」は遺伝子で決まる!?  」

  頭のよさといっても、その条件は様々です。本書では、頭のよさの様々な要素(記憶力、集中力、創造力など)が遺伝子で決まるのかを、今現在の研究からわかることをまとめています。

本記事の目次

記憶

 

 記憶と遺伝との関係は、ほとんどわかっていないといえます。

  だそうです。マウス実験では記憶力が悪くても、環境次第で大きく変わるとの結果があるそうです。では人間ではどうなのか、著者は記憶力より暗記力について遺伝で決まっているのではと推測されています。 

もの覚えが悪いと自覚している人は、もしかしたら遺伝的な理由があるのかもしれません。しかし、だからといって「頭が悪い」わけではありません。三回くりかえしても覚えられないというのであれば、あと一、二回くりかえす努力を惜しまないことです。暗記というのは慣れですから、くりかえすうちにいずれは覚えられるようになるはずです。

 結局、記憶に関しては遺伝というより環境、つまり努力するかしないかによって変わってくるということでしょう。物覚えがよくても覚える努力が少なければ記憶できませんし、逆に物覚えが悪くても何回も繰り返して覚える努力をすれば記憶できます。

 でも10回で覚えるより1回で覚えられる頭のほうがいーですけどね。

運動神経

  頭のよさと運動神経は関係ないかもしれませんが、やはり運動と遺伝は気になります。実は運動能力については遺伝である程度向き不向きがわかるそうです。

運動能力は、ある筋肉に特別なタンパク質をつくる遺伝子があるかないかによることがわかっています。その一つがアルガ・アクチニン・スリー(ACTN3)というタンパク質です。それが筋肉に持久力があるか、瞬発力があるか規定しています。(中略)短距離走者はACTN3をもっていることが多く、長距離走者はACTN3の代わりにACTN2という別のタイプをもっていることが多いというのです。(中略)

つまり、ACTN3は瞬発力に関係する遺伝子であり、ACTN2は持久力に関係する遺伝子なのです。

 ただこちらも遺伝の差はあるものの本人がその運動能力を使うか使わないかで差が開くわけですから、結局遺伝よりも環境で変わって来るのではと思ってしまいますね。

 それに遺伝で決まるとされるよりも、本人の努力次第って言われるほうが頑張れそうです。ただ遺伝である程度向き不向きが分かるなら、それを参考にしてどのスポーツをするか決めていけば、個性が伸びそうですね。

 今いる場所で咲きなさいみたいな本がありますけど、一番のびのびと咲くことができる場所で咲くのが一番でしょう。

 

 

 

性格

 性格にも生まれつきのものと環境で備わる物があるそうで、現在遺伝と環境の要因はこのように分けられています。

 

①新奇性追求―「探求心」「衝動性」「浪費」「無秩序」

②損害回避―「予想懸念・悲観」「不確実性に対する恐れ」「人見知り」「易疲労性・無力症」

③報酬依存―「感傷」「愛着」「依存」

④持続―「持続」

⑤自己志向ー「自己責任」「目的指向性」「臨機応変」「自己受容」「啓発された第二の天性」

⑥協調性ー「社会的受容性」「共感」「協力」「同情心」「純粋な良心

⑦自己超越性ー「霊的現象の需要」「自己忘却」「超個人的同一化」

そして、このうち①~④は遺伝性の要因があり、⑤~⑦は環境要因で決定されると考えられています。

 本書は、頭のよさは遺伝で決まるのかということをテーマに色々と述べられていますが、性格と頭のよさについてはこう述べられています。

好奇心が強いかどうかは遺伝的な要因が大きいのですが、それが頭のよさにどこまでかかわるかとなると別の話になります。(中略)

好奇心が向く対象、持続性が発揮できる対象にしても、それが社会的に意味のあるものならば評価に結びつきますが、たとえばギャンブルに好奇心が向いて、それにばかり持続性が発揮されても、そういう人は評価されないですし、身の破綻を招いた日には、とても頭のいい人とは見られないでしょう。

ですから、最大の問題はどういうことに好奇心が向くか、何に対して持続力を発揮できるかなのです。

 運動能力や性格の一部は遺伝で決まるそうですが、ただすべてが遺伝で決まってくるわけではなくて、環境で決まるところも多くあるわけです。今後も何が遺伝して何が遺伝しないかについて研究結果が報告されてくるでしょうけど、大事なのは今の自分がどう行動するかってことかー。もしかして、この本・・・自己啓発本だった!?

  最後にエピローグのラストを引用しておきます。

遺伝子のオン・オフを上手に切り替えられるかは、環境と学習が決めているのです。そのことを認識することが「頭のいい人」になれる第一歩です。

 

 

おしまい。