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本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

全盲の世界 「闇に香る嘘 」

江戸川乱歩賞 小説 身体

 

現実に背を向け続けた結果、私は無力な存在となった。

 

本日の一冊は「闇に香る嘘

 

第60回江戸川乱歩賞受賞作品。

 

60回という節目にふさわしいほど読みごたえがありました。

 

本記事の目次

1.全盲の世界

2.現実の世界

 

全盲の世界

 

27年間兄だと信じていた男は何者なのか?村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。和久は兄の竜彦に移植を頼むが、検査さえも頑なに拒絶する兄の態度に違和感を覚える。中国残留孤児の兄が永住帰国をした際、既に失明していた和久は兄の顔を確認していない。竜彦は偽者なのではないか?全盲の和久が、兄の正体に迫るべく真相を追う―。

闇に香る嘘 | 下村 敦史 | 本 | Amazon.co.jp

 

69歳の全盲の男が主人公。終盤で明らかにされる事実は素晴らしく、

 

全盲という闇の世界で物語は進んでいきますが、希望の光のようなラストは特によかったです。

 

主人公は全盲で闇の中で生きているわけですが、全盲の人は世界をどう見ているのか。

 

そんなことを疑問に思って、とある本を読んだことがあります。

 

目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)

 

この本を読んだ時のメモの一つにこんなことが書いてあります。

 

見えない人が見える人よりも空間を大きく俯瞰的にとらえている場合がある

 

例として、富士山をあげますと、

 

目の見える人は富士山を二次元に、見えない人は富士山を三次元で見ています

 

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左側が目の見える人が想像する富士山で、右側が目の見えない人が思い浮かべる富士山。 

 

目の見える人には視点が存在するため、自分が見ていた三次元の世界を二次元します。

 

しかし、見えない人には視点に縛られることがないため、自分の立っている位置から離れて、俯瞰して見ることができるそうです。

 

だから、見えない人には「死角」がないとも書かれていて、中々興味深い本だなーと思っていました。

 

小説では、主人公がいて、基本は主人公視点で作品を読んでいると思いますが、

 

時に、私たちはカメラのような視点で作品を見る時があるでしょう。

 

犯人と対峙する時は、ドラマのように主人公と犯人が面を向かっているシーンが思い浮かんだりするのではないでしょうか。

 

そのような俯瞰図で、全盲の人は世界を見ているようです。

 

 

 

 現実の世界

 

さて、最初の引用文

 

現実に背を向け続けた結果、私は無力な存在となった。

 

これは、全盲の主人公がまだ目が見えていた時に、失明に備えて訓練しておくべきだったと嘆いているシーンでの一文。

 

この一言は重いですね。

 

人は立ち向かわなければ強くなれない。そんなことを言われているような気持ちになります。

 

逃げ続けていると、だめになる。シンジくんも言ってます。逃げちゃダメだって。

 

現実を見つめて前に進むしかないのかーなんてことを思っちゃう一文。

 

話を戻して?目の話をすると、

 

最近スマホやパソコンを長時間使用していてブルーライトによって

 

目に負担がかかっている人が多いと思います。

 

ブルーライトによって加齢黄斑変性が引き起こされるともいわれていて、

 

中途失明にもつながる可能性があるとかないとか

 

どこまで真実かはわかりませんが、目の負担になっているのは明らか。

 

それなのに目の予防・対策をしている人は少ないのではないでしょうか。

 

ブルーライトカットメガネや画面の明るさの調整など

 

できることはあると思いますので、眼には気を付けてほしいと思います。

 

ブルーライト 体内時計への脅威 (集英社新書)

 

おしまい。

 

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