本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

やってないのにやったと言ってしまう空間 「自白の心理学 」

 

狭い取調室に取調官が二人、そして被疑者が一人。その被疑者はまちがって連れてこられた無実の人である。しかし取調官はこの人に強い容疑を抱いている。そこで行われるのは対等な話し合いではない。

 

本日の一冊は「自白の心理学 (岩波新書)

 

本記事の目次

1.うその自白の話

2.自白の心理の話

3.取調べは闇の話

 

うその自白 

 

身に覚えのない犯罪を自白するメカニズムを実例をもとにまとめた一冊。

 

やっていないことをやったと言ってしまう人はどのような心理なのかがわかる。

 

無実の人間はどうやってやっていないことを説明するのか。

 

無実の人間はうその自白のなかで、自分の実際の体験を犯行物語に組み込み、組み替える。そうしなければうその自白は成立しないのである。

 

窃盗容疑で逮捕されたAさんだが、身に覚えがない。

 

しかし、警察からの取り調べでやったとうその自白をしてしまう。

 

盗まれた50万円を何に使ったかと聞かれた時、盗んでもいない金を何に使ったを考える。

 

最近大金を使ったこと・・・そして実際に自分が体験したことを話す。

 

うそと現実が混ざると、そのうそは現実のもとして認識されやすいのだろうか。

 

自白の心理

 

うその自白へと落ちていく心理として著者は取調べの場の圧力、弁解の空しさ、時間的な見通しの問題、否認することの不利益、いまの苦痛と遠いさきの悲劇などを挙げている。

 

取調べで犯人じゃないと自分でわかっていても、犯人だと決めつけられて話が進む。

 

そこでは弁解をしても聞いてはくれず、無実だと訴えれば訴えるほど拘束される時間は長くなる。

 

そしてやったと言ったほうが今の苦痛から解放されると考え、うその自白をしてしまう。

 

この取調べという空間では、いつもならできる思考でさえできなくなるのだろう。

 

人を追い込んで自白に追い込む。これでいいのだろうか。

 

自白のために精神的に追い詰めるのは何かが間違っている。

 

被疑者はもはや人として扱われていないような気さえしてきます。

 

 

 

ブラックボックスに光

 

このようなうその自白によって無罪であり冤罪の人が有罪になる人を避けるにはどうすればいいか。著者は録音することが重要と述べています。

 

取調べにおけることばのやりとりを、録音テープに記録して、あとでチェックできるようにするだけで、冤罪の過半は解消する。そう断言してよい。

 

警察は自分たちが不利になることをしたくない。

 

最近だとパソコンの遠隔操作で誤認逮捕が相次いだ事件がありましたが、

 

取調べという非日常の空間に突然放り込まれた無実の人が

 

無実だから大丈夫と思えるのは最初だけで、無実だけどやったと言った方が気が楽になるんじゃないかと

 

考えてしまう雰囲気をつくってしまう取調べという場が問題ありすぎ。

 

取調べという場に光が当てられる時はくるのでしょうか。

 

 

おしまい。