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本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

人間はただの自然現象なんだ。 「絶叫」

小説

 

姉さん、人間って存在はね、突き詰めれば、ただの自然現象なんだ。

 

本日の一冊は「絶叫

 

本記事の目次

  1. 社会派の話
  2. 自然現象の話

 

1.社会派小説

 

amazonの内容紹介をまずはじめに。

 

鈴木陽子というひとりの女の壮絶な物語。涙、感動、驚き、どんな言葉も足りない。貧困、ジエンダー、無縁社会ブラック企業…、見えざる棄民を抉る社会派小説として、保険金殺人のからくり、孤独死の謎…、ラストまで息もつけぬ圧巻のミステリーとして、平凡なひとりの女が、社会の暗部に足を踏み入れ生き抜く、凄まじい人生ドラマとして、すべての読者を満足させる、究極のエンターテインメント!

絶叫 | 葉真中 顕 | 本 | Amazon.co.jp

 

ひとりの女の生き様を描くサスペンス作品。

 

日本には貧困、孤独死ブラック企業などの問題があるが

 

それがすべて描かれていて、日本の闇を見ているようでした。

 

孤独死した死体から始まり、他の事件とのつながりがみえてくる。

 

最初はなんだか不気味だなと感じていましたが、

 

その不気味さは恐怖に変わっていきました。

 

読んでる小説の9割がミステリーなので、たまにはこういう作品もありですね。

 

 

 

2.自然現象

 

鈴木陽子には、小さい頃自殺した弟がいます。

 

その弟の幽霊が、陽子に語り掛けてくる場面がいくつかあります。

 

これは、最初に幽霊が出てくる場面。

 

「どうして、生きているのが嫌になったの?」

ーー死にたくなったからだよ。

幽霊は同じ意味の言葉を繰り返した。

「ふざけないで」

ーーふざけてなんかいないさ。人の気持ちや行動なんて、そんなもんなんだ。意味なく突然降ってくるのさ。

 

そして、会話は陽子の好きな人の話に。

 

ーーいや、ないね。人が自分の考えで行動しているのは全部錯覚だよ。いいかい、姉さん、人の行動にはどこかで必ず感情による判断が混じるんだ。たとえば、どんな洋服を着るか、レストランで何を注文するか。考えて選んでいるような気がしても、その選択の根幹は、好き嫌いやその日の気分といった感情だ。さて姉さん、人は自分の感情を選んだり、理解したりできるのかな?好きなものを好きな理由を説明できるのかな?姉さんは中学のとき一つ上の山崎って先輩のこと好きになったろ?

(中略)

私は、どうして山崎先輩を好きになったんだろう?

「恋はするものではなく落ちるもの」というのは決まり文句だけれど、確かに理由はよく分からない。なんとなく、としか言いようがない。

ーー分からないだろ? 姉さんは、好きになりたかったわけでなく、何か理由があったわけでもなく、山崎さんを好きになった。つまり、その気持ちは、姉さんとは全然関係ないところから降ってきたってことだよ。姉さん、人間はね、突き詰めれば、ただの自然現象なんだ。どんなふうに生まれるか、どんなふうに生きるか、どんなふうに死ぬか。全部、雨や雪を同じで、意味も理由もなく降ってくるんだ。僕の自殺もそうさ。どこからか「死にたい」って気持ちが降ってきて、僕は死んだんだよ。

 

 感情は意味なく降ってくる。

 

映画を観て泣いたり、友達と喋って笑ったり、嫌なことで怒ったり。

 

その感情に意味はなくただ自然現象として現れる。そういうことでしょうか。

 

だから、人は意味もなく「生きたい」って気持ちが毎日降ってきて生きているだけで、

 

その「生きたい」という気持ちが、ふと「死にたい」変わってしまったとき、

 

人は自殺という選択をしてしまうのでしょうね。

 

人は生きる意味を見いだそうとする時がありますが、

 

生きることはただの自然現象であって、そこに意味なんてものはない。

 

意味なんてないのに、見つけようとするから苦しくなって

 

「生きたい」から「死にたい」に変化するのでは、と思ってしまいます。 

 

だとしたら、すべて起こることは自然現象なんだと考えて生きていきたいですね。

 

このブログを見る人が少ないという事実も自然現象なんだ。

 

 

おしまい。

 

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