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"根拠なき自信"が自分を救う 「キッド」

 

親が金持ちなわけでも、運動に秀でているわけでもない。特にケンカが強いわけでも、女にモテるわけでもない。だが麒一には自信があった。なんの根拠もない自信が。なにに対する自信なのかもわからない。だがその根拠のない自信を支えに麒一は生きていた。

 

本日の一冊は「キッド

 

本記事の目次

1.ストーリーの話

2.根拠なき自信の話

 

1.ストーリー

 

二十歳にしてビリヤード場のオーナーを務める石川麒一

 

彼の不幸な?物語は、ビリヤード場が入ったビルの隣の建物から火が出たことから始まる。

 

ボヤ程度だが被害を受けたビリヤード場。修繕を知り合いに頼んだが、金を奪われてしまう。

 

さらに、近所のタバコ屋の娘から電話。

 

「助けて」。

 

駆けつけるとそこには一つの死体。

 

そして、死体を巡って麒一は空前絶後なトラブルに巻き込まれていく。

 

 

 

2.根拠なき自信

 

麒一は何度も危険な目に遭うが、どこから出てくるかわからない自信によって、難を逃れていく。

 

麒一は根拠なき自信を持っている。 

 

頭のいい奴は誰一人行かないような高校を中退しただけの若僧。他人に自慢できることなどなにもない。それが麒一だった。

親が金持ちなわけでも、運動に秀でているわけでもない。特にケンカが強いわけでも、女にモテるわけでもない。だが麒一には自信があった。なんの根拠もない自信が。なにに対する自信なのかもわからない。だがその根拠のない自信を支えに麒一は生きていた。

俺はやれる。俺なら上手くやり遂せてみせる。そんな気持ちがいつもあった。人に頼りにされたとき、それを証明したくなってしまうのかも知れない。一度もやったことがないことでも、なぜかやれる気がしてしまうのだ。

 

ここに、この小説の主人公である石川麒一という男のすべてが書かれている。

 

「麒一には自信があった。なんの根拠もない自信が。」

 

俺はやれる。」

 

「なぜかやれる気がしてしまうのだ」

 

どんなに絶体絶命でもあきらめない。

 

自分はやれる男だと信じ、打開策を考え、機会を待つ。

 

身体がボロボロになろうとも諦めない。

 

このみなぎる自信によって麒一は生きている。

 

 

かっこいい!

 

 

これだけの自信を持って生きてみたい

 

そうまで思えるほどの魅力が麒一にはある。

 

 このみなぎる自信をサポートするのは鋭い知能。

 

やはり自信だけではだめで、それ相応の知識を持っている麒一。

 

学力は高くないようだが、生きていく術を知っている。

 

そこにまた魅力を感じてしまう。

 

 

根拠なき自信と生き延びるための知識。

 

石川麒一に俺は惚れた。

 

 

おしまい。