読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

本を熱いうちに読む

厚みのある本は苦手

江戸川乱歩賞

手堅い誘拐ミステリー 「翳りゆく夏」

本日の一冊は「翳りゆく夏 」 第49回江戸川乱歩賞受賞作。幼児誘拐ミステリー。手堅く書かれていたけど、スピード感はゆっくり。登場人物も必要最低限で、ミスリードや伏線もあまりなし。終始、着々と真実に向かう姿は記者をイメージさせる。 ただし、突拍子…

どっちが表でどっちが裏か 「沈底魚 」

「大物の沈底魚が、日本に潜っている」という噂だった。 本日の一冊は「沈底魚 」 第53回江戸川乱歩賞受賞作。 淡々と進んでいくんだけど二転三転と変わったりして、なんだかよくわかりませんでした。 公安警察のお話で、よくある権力と闇のお話。ラストは駆…

名探偵コ〇ン 贖罪の地下墓地 「カタコンベ」

異様で気味の悪いさまを、よくグロテスクというだろう。これは元々フランス語でね、グロトという『洞窟風の部屋』を意味する言葉が由来なんだよ。昔の人々は気持ち悪いものを見て、咄嗟に洞窟を思い浮かべたんだろうな。 本日の一冊は「カタコンベ」 第50回…

心も脳も理解できん 「脳男」

「心」は脳の作用にしかすぎないのだから、人間の「心」を知るためには脳という物質を研究する以外ないのだ、と。 本日の一冊は「脳男」 第46回江戸川乱歩賞受賞作。 なにより表紙が不気味です。寝る前は照明を暗くして読むので、表紙がさらに不気味に映って…

納得の受賞作と死刑の話「13階段」

犯罪は、目に見える形で何かを破壊するのではない。人々の心の中に侵入し、その土台を抜き取ってしまうのだ。 本日の一冊は「13階段」 第47回江戸川乱歩賞受賞作品。 今まで読んだ江戸川乱歩賞作品で一番よかったかもしれない。 といってもまだ受賞作そん…

第54回は不作 「誘拐児」

おまえは、ほんとうの息子じゃないよ。私が誘拐― 本日の一冊は「誘拐児」 第54回江戸川乱歩賞受賞作品。amazonレビューは辛辣。読書メーターも少し辛辣な意見があったりする。すでに何冊も本を出版している人のものとは思えないや時代背景がごっちゃになっ…

狼だけがまとも 「訣別の森」

まともなのは狼だけである。 本日の一冊は「訣別の森」 江戸川乱歩賞受賞作品。 元自衛隊で現在はドクターヘリのパイロットを務める主人公の周りで事件が起こり、その謎を解くべく行動していく物語。 残念ながら読み終えずに途中で挫折。 ただ江戸川乱歩賞作…

全盲の世界 「闇に香る嘘 」

現実に背を向け続けた結果、私は無力な存在となった。 本日の一冊は「闇に香る嘘 」 第60回江戸川乱歩賞受賞作品。 60回という節目にふさわしいほど読みごたえがありました。 本記事の目次 1.全盲の世界 2.現実の世界 全盲の世界 27年間兄だと信じていた…

被害者と加害者にはなりたくない 「プリズン・トリック」

皮肉なことに、中学校は、受刑者になった時に困らないための教育していたのだ。 本日の一冊は「プリズン・トリック (講談社文庫) 」 話の視点がころころ変わって少し読みづらいけど、 刑務所内の殺人は見かけないし、迫力はあって面白かった。 選考委員の方…

自覚すると呪いは成功する―「よろずのことに気をつけよ」

文化人類学と言っても分野はいろいろある。 習慣や信仰、神話から都市伝説に至るまで、民間伝承の要素があれば成り立つ学問だと言えるだろう。なかには「呪術」なんてものを専門にしている変わり者もいる。埃をかぶった古文書を紐解き、各地に残る風習に拾い…

空想の世界はどこまでありなのか。―「完盗オンサイト」

激しい雨が泥土をたたいている。風がうなり、木々の葉が吹き飛ばされていく。 千代田区千代田、皇居・大道盆栽仕立場。 稲妻が漆黒の闇を切り裂いた。刹那、何百もの盆栽が夜に浮かび上がる。悠久の時と深い愛情によって育まれた名品たちだ。盆栽は今、屋外…

炎上した子どもたちは更生できるのか―「天使のナイフ」を読んで

罪を犯した子供たちが立ち直っていくことは必要なことだとは思うが、その理念は、犯罪に遭った被害者やその家族の慟哭を踏みつけた上で成り立っているのだ。 本日の一冊は「天使のナイフ」 ストーリー 桧山貴志は妻、祥子を殺された。犯人は当時13歳の少年だ…